国営レトロな雰囲気が魅力♪ スーパーでも市場でもない中華食材の殿堂を徹底調査!
こんにちは、上海ナビです。
上海には、スーパーマーケットでも市場でもない「食品店」なるジャンルのお店があります。名前のとおり食料品を売るお店なのですが、たとえるならお店として独立したデパ地下。または、一つの建物に詰め込まれた商店街でしょうか。どの店舗も地元のお母さんたちで賑わっていてすごい熱気。お土産調達ができるのはもちろん、上海の食卓事情を知ることもできるお勧めの場所なんですよ。いったいどんなお店なのか、早速ご紹介していきましょう。
「食品店」ってどんなお店?
南京東路の「邵万生」は1852年創業の老舗です
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どこにある?食品店が集まっているのは歴史ある商業街。南京東路、淮海中路、豫園商城など、老舗が並ぶエリアです。よーく看板を見ると創業した年が刻まれていますよ。どこも100年以上続いている老舗なんです。品揃えも地元の人のニーズに合わせたローカルでレトロなものばかり。観光地のど真ん中にあるのに、素顔の上海が見える場所。それが「食品店」なのかもしれません。
定番商品はこんな量り売りのお菓子です
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何を売ってるの?名前の通り食料品です。お菓子、乾物、調味料、茶葉、お酒、お惣菜などの定番品から、最近は外資系の洋菓子店、台湾系ドリンクスタンド、日系のたこ焼き屋さんなどを入れるお店も増えてきました。食べ歩きできるスタンド系ショップがあるお店、フードコートやレストラン街のある店舗も。お土産用の箱入りお菓子やタバコ、ワイン、欧米や東南アジアの輸入食品などを扱うお店もあります。
スーパーでは袋売りのお菓子やおつまみ。食品店ではほとんどバラ売りです
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スーパーと何が違う?スーパーはカゴに商品を入れてレジで支払いをしますが、食品店は商店街のお肉屋さん、お菓子屋さんのような対面販売。そして、ほとんどの商品が量り売りです。たとえば、スーパーではひと袋ずつで売られている飴玉が、食品店では一個ずつ買うことも可能。場合によっては味見させてくれる店員さんもいます。スーパーでは、お菓子の袋をあけて味見することはできませんよね。
一個から量り売りしてくれます
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買い方は?まず、ショーケースに貼られた値段を見てみましょう。書かれているのは500gの値段です。店員さんに「500gってどのくらい?」と、まずは量ってもらいましょう。そこから「増やして!」「減らして!」のゼスチャーをすればOK。指差し、筆談、身振りでけっこうお買い物ができてしまいます。食品店はたいてい国営なので、店員さんが自分の利益のために重さをごまかすということがないのが安心♪
買いたいものが決まったらケースに貼られた値段をチェック。23元は500gの値段です
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買う物と量が決まったら店員さんを呼んで量ってもらいます。言葉が不安な方は電卓を持参すると便利
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この「食品店」がスゴい! ナビ独断のBEST3
これぞ食品のデパート!
1位:上海第一食品商店上海を代表する商業街「南京東路」に1950年代から君臨する食品のデパートです。旅行者用のお土産お菓子、地元のお母さん向けの乾物や調味料、地元OL向けのオシャレな輸入食材やお菓子、富裕層マダム向けの輸入フルーツや高級ギフトまで、あらゆる層の人気を得ているお店なんですよ。上層階はレストラン街。豫園の小籠包屋さん「南翔饅頭店」、日本人人気も高い「小楊生煎」、「LILLIAN BAKERY」など、上海名物がここ一軒ですべて味わえちゃいます。
何屋さんか見えないほどの混雑!
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食事時のフードコートも人人人!
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南京東路でいちばん長い行列ができる食品店です
2位:真老大房食品公司こちらも「南京東路」ではハズせない超人気店。食品店としては1階フロアのみの小型店舗ですが、連日のように名物「鮮肉月餅」を求める大行列ができています。さくっとしたパイのような生地のなかからジュワッとほとばしる肉汁……。「真の上海通は、小籠包でも生煎でもなく、ここの鮮肉月餅のおいしさを知っているのだ」と地元の人にいわしめるほど。もちろんお土産用お菓子や乾物類も充実しているので、月餅の行列に並びつつ店内をチェックしてみて。
この大行列の先には……
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アツアツジューシーな鮮肉月餅が!
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豫園商城の雰囲気にしっくり馴染むレトロな店構え
3位:上海梨膏糖商店老舗食品店の激戦地「豫園商城」内のナビお勧め店はこちら。一見普通の食品店なのですが、お店の名前を冠した昔ながらの駄菓子「梨膏糖」(日本のショウガ糖のようなキューブ状の飴菓子)はこちらのお店だけの商品です。売場がとにかくレトロでかわいい! ほかにも大白兔、五香豆など、上海らしいお菓子を量り売りで買うことができます。定番のパンダチョコも空港で買うよりかなり安く手に入れることができますよ。
戦前から変わっていなそうな店内
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昔ながらの素朴なお菓子が揃います
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ほかにもこんなところにお勧め食品店があります。訪れたエリア、滞在ホテルの近くなどで探してみて下さいね。
<南京東路>
<淮海中路>
<豫園商城>
<浦東>
「食品店」で見つけたお勧め土産 BEST5
2013年に登場したビッグサイズ大白兔
1位:お菓子お土産の定番はやっぱりお菓子。最近は見栄えのするレトロなデザインの箱入りお菓子やチョコレートも増えてきました。「鳳梨酥(パイナップルケーキ)」「芒果酥(マンゴーケーキ)」など、フルーツ名+「酥」の文字が入ったお菓子は比較的日本人好みの味。お値段は一箱18元〜。空港では3倍以上の値段で売られていますよね。ミルクキャラメル「大白兔」も定番土産の一つです。
干しエビは和食のだしにもなります!
2位:乾物ナビの母世代(50〜60代主婦)の日本人に意外と人気があるのは干しえび。大根と煮たりすると意外に和食の味になります。持ち帰ったら冷凍すればOK。貝柱や金華ハムは、こだわりの中華スープやラーメンスープを自宅で作ってみたいという男性に人気があるようです。めずらしいキノコやキクラゲの乾物も、あって困らない食材土産になりますよ。
いろいろな調味料がずらり
3位:調味料ラー油、ごま油、豆板醤、甜麺醤、オイスターソースなど、日本で人気の調味料もざくざく揃う食品店。しかもどれもひと瓶10元前後で手に入ってしまいます。が、ナビは「これ、何? どうやって使うの?」などと困られてしまった経験が。調味料類は、麻婆豆腐やエビチリをレトルトの素を使わずにスイスイ作れるような人限定のお土産かも。
4位:中国酒
街を歩いていてもなかなか「酒屋さん」が見つからない上海。紹興酒などのお土産用のお酒は、結局スーパーや空港で買うという方も多いのでは? でも、食品店になら品揃え豊富な中国酒があります。「上海第一食品商店」なら、めずらしい地方のお酒やゴージャスなデザインの瓶入りも。興味がある方はぜひ覗いてみて。
お茶にもスープにもデザートにも使えるクコの実
第5位:漢方食材「上海第一食品商店」のような大型食品店限定ではありますが、気軽にいつもの料理にプラスできる漢方食材も要チェック。中華スープに入れたいクコの実やナツメ、薬膳スープ作りに挑戦するなら人参を。白キクラゲやハスの実は美容によい食品として地元の人に親しまれています。漢方薬は敷居が高いけど、食材なら気軽に試せますよね。
「食品店」で食べ歩き♪
食材やお土産を買うだけでなく、その場で上海名物を味わうこともできちゃう「食品店」。大型店には、小籠包、生煎、エッグタルトなどの有名店を一堂に揃えているところもあります。
日系店も食品店に参入しています
日系店でローカルな食品店の世界に馴染んでいるのは、たこ焼きの「くくる」。南京東路の「邵万生」に入っている店舗はいつも行列ができています。
そんななか、割とどこの食品店にもあって意外とおいしいB級マイナーフードのナビお勧め商品はこちら。「素鴨」とミニパックの漬け物です。「素鴨」は、油揚げを鴨肉に見立てたB級精進料理。上海ではお馴染みの味です。小袋入りなのでこのまま食べ歩きOK。漬け物も意外と日本人好みの味です。たとえば、コンビニでビールを買ってホテルで飲みたいときなどにぴったり。ぜひお試しを。
「素鴨」。甘辛く煮た油揚げです
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ミニ大根の漬け物。一度食べるとハマる味
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ほかにも、店先ではいろいろな食べ歩きフードが売られています。地元上海人のお母さんたちは、どこのものがおいしいかをきっちり把握しているよう。行列ができているところで食べるのがお勧めです。
いかがでしたか? きれいなデパ地下食品街や外資系スーパーが増加中の上海。昔上海に来たことがあるという方や、中国にレトロさ、国営チックな雰囲気、昔ながらの食材の匂いを求めて来た旅行者の皆さんは、今の上海に物足りなさを感じてしまうかも。そんなときはぜひ「食品店」へ。「10年前に来たときと同じだった」「やっぱり、中国はこうでなくちゃ」など、追い求めていた中国像に出会えるかもしれません。
以上、上海ナビがお伝えしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-07-04