名物、マナー、メニューの単位? 知っておけばトクをする上海ならではの食事情。
こんにちは、上海ナビです。
旅の楽しみといえばやっぱり食事! その分、失敗すると後々まで「あの国では食事のとき……」と苦い思い出が残ってしまいます。でも上海は、厳しいマナーも特になく、日本でもすでにお馴染みになっている名物がたくさんある街。かまえずに気楽にお店に入ってみましょう。ということで、今回ご紹介する心得は「知っていればちょっと一目置かれる」というものばかり。軽〜く読んでおいてくださいね。
心得1:上海名物を知っておこう
中華料理といえば、麻婆豆腐、フカヒレの姿煮、水餃子、点心、飲茶……と、日本人ならこんな感じの料理をイメージしますよね。でも、これらは上海料理ではありません。たとえば外国人が「僕は東京でお好み焼きを食べましたよ。本場の味だったな〜」と言っていたら、「お好み焼きの本場は大阪ですけど」と突っ込みますよね?
上海料理の代表格・紅焼肉
上海料理は豚肉と川魚、野菜がメイン。伝統的な料理ほど海鮮は使われません。有名な上海蟹も淡水の蟹。海の蟹ではありません。味付けは醤油、砂糖、紹興酒を使った甘辛風味。日本で食べる中華料理とはまったく違う味と見た目なのです。必ず食べたい名物は、紅焼肉、小籠包、上海蟹、蒸した川魚料理、生煎などなど。庶民的な老舗で食べるのがお勧めです。
心得2:上海料理のテーブルマナーを知っておこう
こんな食事会に招かれたら……
特に厳しいマナーがない上海料理の世界。集まった人が食べたいものを居酒屋みたいにオーダーして、みんなでつつけば基本はOKです。でも、たとえば歓迎会や宴会で、同じ席に目上の上海人がいるときは以下に注意をしてみましょう。日本人がやりがちな失敗をリストアップしてみました。知っておけばほめられるかも。
○最初に主食(ご飯もの、麺、点心類)を頼まないようにしましょう。主食は締めを意味します。
○取り皿は魚の骨やエビなどの殻を置くもの。おかずはお茶碗にとって食べます。
○魚料理は片面を食べ終わったあとにひっくり返さないこと。縁起が悪いそうです。
○割り勘はNG。誘った人が支払うのが普通だそうです。
○伝票を持ってレジへ行かない。中国の飲食店は基本的にテーブルで支払います。
お皿は骨と殻入れです。料理はお茶碗に取って食べましょう
|
|
魚料理はひっくり返さないで食べるのがマナー
|
心得3:メニューの単位を知っておこう
最近は大きな写真付きのメニュー、日本語や英語付きのメニューを用意するお店も増え、オーダーがしやすくなってきました。メニュー名も漢字ならなんとなく分かるし、心配なときは辞書アプリなどを使えばなんとかなります。でも、意外とわかりにくいのがメニューの値段についている単位。間違えると、「5人でオーダーしたのにすごく小さいものが出てきた!」「一人なのにすごい量が運ばれてきた!」なんていう気まずいことに。以下、主な単位です。
写真付きメニューは増えましたが……
|
|
値段の後に書かれた単位に注目を
|
○只(1つ、1匹。たとえばエビ料理にこの単位がついていたら1匹の値段です)
○位(一人前。スープにこの単位がついていたら、取り分けができない一人前サイズのことです)
○斤(500g。魚料理によく付いています。ひと皿300gの場合は、表示料金より安くなります)
○壷(1ポット。お茶は一杯ずつか、ポット単位で頼むかで値段が変わります)
○扎(1ピッチャー。ジュース、ビールなど大人数で頼む場合は扎で頼むのが定番)
4〜5人で取り分けるタイプのスープ
|
|
「位」単位のスープは一人前
|
心得4:名物の旬を知っておこう
上海蟹の旬は秋
上海といえば上海蟹。でも、食べられるのは秋〜冬だけです。春〜夏はイメージ通りの蟹はないはず。ナビも真夏に専門店中探しまわったことがありますが、「六月黄」と呼ばれる脱皮前の小さい物しかなかったことが(でも、六月黄が好き! という人はいます)。どうしても旬以外に上海蟹を! というときは専門店「凌瓏閣」へ。季節が逆のヨーロッパ産を仕入れているんだそうです。
シーズン中はホテル、スーパー、中華料理店、コンビニなどに特設月餅売場が設置されます
また、中国のお菓子といえば月餅ですよね。こちらも一年中あるイメージですが、日本でいえばクリスマスケーキやバレンタインチョコのようなもの。シーズンの中秋節前に買うのが鉄則です(シーズンまっただ中、シーズン終了後は手に入らなくなります)。
心得5:おいしい店は予約が難しい
おいしい店には行列ができています
上海人はみんなで集まって外食に出かけるのが大好き。お店選びは口コミやネットの評価で決める人が多く、高評価すぎて良い意味で「炎上」しているお店も多数あります。「今日はもうお席を用意できません」と言われてしまうことも多々。ということで、「ぜひ人気店で食べたい!」という方は2〜3日前に電話予約を。「旅行日程が短いので予約できない!」「電話で中国語なんて無理!」という方は、夕方5時前、またはピークを過ぎた夜9時以降に出かけてみて。
心得6:日本にはない料理に挑戦しよう
東北料理店の鉄板人気メニューは鍋包肉
小籠包、生煎、火鍋など、「日本で食べたことがある」という料理は、思い切って食べないルールにしてみませんか? 上海には、日本にまだあまり紹介されていない料理を出す店がたくさんあります。ウイグル料理、雲南料理、紹興料理などはめずらしい料理盛りだくさんで日本人の口にもすごく合うんですよ。なかでもナビのイチ押しは東北料理の「鍋包肉」。帰国後も味を思い出しちゃうことうけ合いです。
心得7:屋台街に行こう
「お腹をこわす」というイメージの強い屋台ですが、地元の人たちがわいわいおしゃべりをしながら小さなテーブルを囲んでいる様子を見ればきっとチャレンジしたくなるハズ。貝類、揚げ物、生ものをはずせば腹痛リスクは減ります。屋台が出る場所はどこも古き良き上海の姿が残る庶民的なエリア。春〜秋の気候がいい時期に上海に来るならぜひ散策してみてください。意外な食材や見たことのない料理にも出会えます。
心得8:おしぼり、お茶は有料だけど果物は無料
食後のフルーツは無料サービス
一定ランク以上のレストランではおしぼり、お茶、水などが有料です。タダに慣れている日本人としては納得いかないことが多いかも? 裏技としては、お茶よりビールやソフトドリンクを頼む方が割安なことが多いので、そちらを頼むことでしょうか。おしぼりも使わなければ返せるんですよ。食後に出てくるフルーツは無料サービスです。また、欧米人経営の洋食レストランでは、100%おしぼりは出てきません。トイレに行って手を洗うか、ウエットティッシュを持参しましょう。
心得9:進化中の中華スイーツとデザートの頼み方を知っておこう
楊枝甘露
中華スイーツといえば、杏仁豆腐、ゴマ団子、マンゴープリンだった時代はもう終了。2013年現在、もっとも流行っているのは台湾からやってきた芋系スイーツです。仙草ゼリーに芋やカボチャをトッピングしたヘルシーなデザートは試してみる価値あり。ナビのイチ押しは「奶酪」です。お酒風味のヨーグルトでハマる人が続出中。エッグタルト、マンゴーシロップこと楊枝甘露、ドリアン系点心など、未知のスイーツをいろいろ味わってみて下さい。ただし、日本のファミレスみたいに「デザートは後でお持ちしますか?」などを聞いてくれるお店はないので、レストランでデザートを頼むときは
食べ終わってから改めてメニューをもらって頼むのが鉄則。食前にデザートが来てしまうことがあります。
心得10:朝ご飯を食べよう
朝の散歩途中に肉まんを買おう!
おかゆ、揚げパン、豆乳などの定番から、早朝営業の麺のお店、カフェの朝ご飯、バーのブランチ、ホテルビュッフェなど、朝ご飯の選択肢が豊富な上海。庶民的な生活に溶け込みたい派は、路地裏の朝ご飯屋台に行ってみましょう。欧米人経営のバーやカフェが多い上海では、ブランチもオシャレな上海人に定着しています。ローカルホテルだと朝ご飯がイマイチなことが多い上海。早朝散歩も兼ねて外へ食べに行きませんか?
いかがでしたか? 日本の観光地では、お土産として持って帰れるご当地グルメやお取り寄せできるおいしいものがたくさんありますよね。でも上海は、お土産にできるおいしいものがあまり充実していません。本場の味を食べるなら、実際に来て作りたてを味わうのみ! ぜひ皆さんもいろいろな料理にチャレンジして、忘れられない味に出会ってください。
以上、上海ナビがお伝えしました。
関連タグ:
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-09-12