歴史的建造物群の裏側にはどんな道が? 裏外灘のプチお散歩コースでオールド上海の世界にトリップしよう!
こんにちは、上海ナビです。外灘3号、5号、18号など、オシャレなバーや高級ブランドショップが集まるエリアとしてすっかり定着した感のある外灘。租界時代の上海の姿を垣間みることができる建築群、ゆったりと流れる黄浦江やきらびやかな夜景など、観光スポットとして外灘はやっぱりハズせませんよね。一般的に外灘とは、中山東一路沿いを指します。歴史的建造物がずらりと並ぶ風景は有名ですが、あの建築群の後ろ側はどうなってるの? なんて考えたことはありませんか?
今回は、中山東一路の一本裏手を平行に走る四川中路を歩いてみました。和平飯店(2009年1月現在改築中)のある南京東路から外灘3号のある広東路まで、寄り道しながら歩くと約30分。プチお散歩コースとしておすすめです。
〜裏道にも歴史的建築群が!〜
外灘の表通りには、ご存知のようにイギリス租界時代に各国の企業や金融機関が建てたネオバロック様式、アールデコ様式などの豪奢な建築物が建ち並んでいます。その一本裏の道は普通の住宅地……なんてことは、もちろんありえません! 知る人ぞ知る、こんなモダン建造物が四川中路には点在しています。
旧大清銀行(漢口路50号)
1908年に建てられた古典主義の風格を備えた銀行の社屋。現在は一般のアパートとして使用されています。薄水色の外壁がオシャレ。決して映画のセットではありません。
旧三井物産上海支店(四川中路175号)
日本人建築家・平野勇造が設計を手がけ、1903年に建てられたそう。イタリアルネサンス様式を取り入れたレンガ作りの社屋です。
旧护寧鉄路局(四川中路126弄)
アーチ型の窓枠や二つの建物をつなぐ橋のような部分、出窓など、入り組んだ複雑な構成は見ていて飽きません。1911年の竣工。現在は庶民が暮らす集合住宅、安宿などが入っています。
旧永年人寿保険公司(広東路93号)
1910年に建てられたイギリス新古典主義の風格を持つ建物。現在は銀行が入っているため、エントランスは自由に見学できます。外貨の両替もここでできますよ。天井のモザイクにうっとり。
旧正広和公司(福州路44号)
赤い三角屋根が印象的。イギリスの農村地区の建築物をベースにした外灘近辺では珍しい建築物で、上から見ると凹型になっています。建てられたのは1936年。
パッと目についたものだけでも、これだけ文化財レベルの建物がありました。もっとよく探せばまだまだありそうです。歩いているうちに、オールド上海の世界にタイムスリップした気分になりました。
かと思えば、観光客向けに整備された表の外灘では見られない風景にも出会えます。歴史的建造物にも、堂々と洗濯物が干されていました。
ビルの谷間にはこんな民家も。後ろにうっすらと見える王冠のような建物は、5つ星ホテル・ウエスティンバンドセンターです。
途中、路地でくつろぐネコたちを発見! 車がビュンビュン往来する外灘のすぐ裏とは思えないのどかな光景。人なつこくて、しばらく遊んでくれました。
小龍包、チマキ、月餅など、下町グルメも健在。買って食べながら歩くことも。
屋台も出ていましたが、無断で路上販売していた屋台の店主たちは、パトカーの姿を見て全速力で逃げて行きました……。こんな風景が見られるのは、あと何年くらいでしょうか。
★チープでレトロな中国雑貨がいっぱいの外灘地下街
外灘から南京東路に入ったところにある「外灘地下街」(南京東路61号)では、上海見物にきた中国国内の旅行者をターゲットにしたようなチープな中国雑貨を山のように売っています。
チャイナテイストの袋付きマイ箸(10元〜)や、ジュエリーケースにもなりそうな骨董風小物入れ(80元〜)など、掘り出し物も見つけました。
いかがでしたか? 外灘と言えば、普段は表の顔しか見ていなかったナビも、今回じっくりと裏側を散策して新たな発見がたくさんありました。レンガ造りの洋館が建ち並ぶ風景は、ヨーロッパの路地裏のような風情があります。そんな古い洋館が今も一般のアパートとして利用されているのには驚きでした。古き良き上海の風景をじかに感じながら、皆さんも裏外灘を歩いてみてはいかがでしょう。