新幹線に乗ろう(後)

キレイ!快適!快速!三拍子揃った中国高速鉄道「子弾頭」でGO!

こんにちは、上海ナビです!中国の大地を走る新幹線・・・って、これ新幹線だよね?でも中国だよね?なんだかイマイチ実感が湧かないナビですが、とにかく上海南駅でお目にかかったのは威風堂々とした新型車両CRH2型「子弾頭(=鉄砲玉)」でした。うーん、見れば見るほどカッコイイ・・・思わずうっとりしてしまうナビ、ぼけっとして仕事であることを忘れてしまいそうです。それでは気を引き締めて、新型車量の車内を徹底解剖していきましょう!

~食堂車は?トイレは?~

それでは食堂車などの車内設備と、とにかく一番気になるトイレをチェックしに行きましょう。
車内は全席禁煙です。これも喫煙人口の多い中国では珍しい試み、以前の列車もコンパートメント内は禁煙でしたが、列車の連結部や食堂車は喫煙可でした。中国もこれからは欧米諸国や日本のように禁煙の方向に向かうのでしょうか?
乗車口のすぐ脇の壁に不思議な表示を発見しました。5月5日の背比べ?いえいえ、そうではありません。中国の鉄道では、子供料金の適応は年齢ではなく身長で決まります。身長1.1~1.4mの子供は大人と一緒であれば大人料金の半額、身長1.1m以下の子供は大人1人につき1人まで無料になります。でもそこは育ち盛りの子供たち、チケットを買った後で急に身長が伸びたらどうするんでしょう?
ゴミ箱は分別式。缶ビンと新聞雑誌類は分けて捨てるようになっています。上海など大都市の一部地域では分別方式も採用され始めていますが、これも中国では新しい試みです。
中国の鉄道に乗ったことのある方にはお馴染みの熱湯機も、普通の飲水機に取って代わりました。古い鉄道には各車両に圧力計か何かがついたタンクが設置されていて、そこから火傷しそうな熱湯を水筒に汲んでいたのになあ・・・と思わず遠い目をしてしまうナビ。

中国の鉄道に乗ったことのある方にはお馴染みの熱湯機も、普通の飲水機に取って代わりました。古い鉄道には各車両に圧力計か何かがついたタンクが設置されていて、そこから火傷しそうな熱湯を水筒に汲んでいたのになあ・・・と思わず遠い目をしてしまうナビ。

詰め替え用のミネラルウォーターもありました。今まで(恐らく)水道水を沸かしたものを飲まされていたことを思うと感慨もひとしお。ただ、中国茶とカップラーメンで長旅を乗り切る中国ならではの習慣は廃れて欲しくないものです。

詰め替え用のミネラルウォーターもありました。今まで(恐らく)水道水を沸かしたものを飲まされていたことを思うと感慨もひとしお。ただ、中国茶とカップラーメンで長旅を乗り切る中国ならではの習慣は廃れて欲しくないものです。

スーツケースなど大型の荷物を置くスペースも用意されています。
各車両の端にある乗務員控え室です。机の上には何やらマニアックな雑誌が置かれていますよ。
食堂車にやってきました。真っ白なテーブルクロス、座り心地の良さそうなイス、窓辺の花はもちろん生花(昔はわびしさいっぱいの造花だったんです!)。中国は変わったんだなぁ・・・
食堂車には簡単な売店も併設しています。スナック菓子やジュースだけでなくビールだって買えますよ。
特にどうということは無いのですが、食堂車の壁をはじめ車内随所に飾られているポスター。なんだか微妙にちぐはぐな感じがしませんか?国内各地の風景写真でも飾ればいいのにと思うのはナビだけ?

~「子弾頭」トイレ事情~

それではいよいよ、満を持してのトイレ突入取材です。ナビがご説明するまでもなく、中国のトイレ事情はなかなか悲惨なものがありました。以前よく言われたような「ドア無し壁だけトイレ」は都市部でこそそれほどは見かけなくなりましたが、ちょっと田舎に行くと「吹きさらし溝トイレ」などいくらでも残っているんです。よく耳にする、「中国には行ってみたいんだけど、トイレがねえ・・・」という声も、「そんなことないからっ!」と否定できないのが悲しいところ。もちろん鉄道のトイレだって例外ではありません。今までの鉄道のトイレはいわゆる線路直下型。駅に停車している間は施錠されトイレが使えませんでした。さて、新型車量のトイレや如何に?
まず入り口からして「え?」。オムツを換える台が付いている??これ、日本では普通に見かけますが、上海歴3年のナビも中国では初めて目にしました。
ジャーン!!うっそぉ、信じられない・・・これ、本当に中国の列車のトイレ???ピカピカです。まさに、ツルツルのピカピカ!デザインのせいもありますが、まるで飛行機のトイレのようです。
オムツを替える台もきちんと付いていました。引き出し式で小さなスペースでも上手にオムツが変えられるように工夫がされています。

オムツを替える台もきちんと付いていました。引き出し式で小さなスペースでも上手にオムツが変えられるように工夫がされています。

そしてトイレに関してナビを最も感動させたのがこちら、なんと便座シートが付いているんです。ここは本当に中国なんだろうか・・・

そしてトイレに関してナビを最も感動させたのがこちら、なんと便座シートが付いているんです。ここは本当に中国なんだろうか・・・

人のいない隙を見計らって男性用トイレの撮影に成功!うーん、こちらもやっぱりキレイです。他にも、自動ドアが採用された身体障害者用トイレもありました。
こちらは洗面台。液体石鹸も使えるようになっています。ただし、水は飲めませんのでご注意ください。
コンセントだってちゃんとあります。ドライヤーやシェーバーだって使えますよ。
かつて中国を列車で旅していたときに携帯の充電が切れかかり、必死になってコンセントを探したことが懐かしく思い出されます(結局見つかりませんでした)。

~杭州はもうすぐそこ!~

車窓にはのんびりとした風景が広がります。しばらく乗っていて不思議なことに気が付いたのですが、この車両、揺れがほとんど感じられないんです。列車特有のガタンゴトンという音も全くせず、車内はとっても静か。中国の長距離列車に付き物だった国営放送らしき車内放送もありません。(普通の列車は早朝から夜になって列車中の電気が消されるまでずうっっっっと、大音量でニュースや演歌っぽい音楽がかかり続けていたんです・・・)
現在の時速は139km/h。この時速表示、空港からのリニアモーターカー車内にもありますが、新型車量にもバッチリ装備されていました。こちらの電光掲示板が200km/hを表示する日も近いのでしょう。連結部では見習いの乗務員がベテランの乗務員からいろいろと指示を受けていましたよ。
いよいよ杭州に着きました。1時間半なんて本当にあっという間でしたね!
杭州駅には昔ながらの移動式売店の姿もあります。

杭州駅には昔ながらの移動式売店の姿もあります。

自動車?なぜ駅構内に自動車が・・・

自動車?なぜ駅構内に自動車が・・・

~時刻表~

現在は上海南−杭州、上海−南京の二路線が運営されています。4月18日に予定されているダイヤ改正以降は、さらに多くの路線でCRH2型が導入される見込みです。
いかがでしたか?「遅い汚い臭い」の三重苦から「キレイ!快適!快速!」の3Kへ。中国の鉄道(少なくとも沿岸部の大都市を繋ぐ路線)は確実に変わりつつあります。かつての鉄道を知るナビとしてはまさに隔世の感ありといったところですが、この変化に中国の人はどのように対応していくのでしょうか。疑問を残しながらも、今はついにこの中国の大地をMade in Chinaの「鉄砲玉」が走ったということに祝杯を挙げつつ、この取材を終えたいと思います。以上、CRH2型「子弾頭」車内より上海ナビがお送りしました!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-02-12

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