「遅い汚い臭い」の時代はもう終わった?!中国の鉄道は新時代に突入します!
こんにちは、上海ナビです。中国に「新幹線」が走った!?このニュースが上海ナビを激震させたのは、寒さも頂点に達した1月末でした。実は隠れ鉄道オタクでもあるナビの感想は、「あれ、本気だったんだ・・・」。中国の鉄道が高速車両の導入を検討しているという話は随分前からありました。でもまさか新幹線とは・・・だってここは中国です。中国の鉄道といえば、(ナビ的には)遅い汚い臭いの三重苦で有名でした。その中国鉄道に新幹線?これほど合わない組み合わせがあるでしょうか。まるでスイカとウナギのような食べ合わせの悪さ。でも走ったんです。とにかく中国の大地に新幹線が走った・・・らしい。テレビや新聞の報道を見てもまだ半信半疑のナビですが、百聞は一見に如かず、とにかく新型車両に乗りに行ってみることにしました。
~杭州行きは「上海南駅」発着です!~
新車両は現在のところ上海−杭州線と上海−南京線の二路線で運営されています。ただ、路線によって上海での発着駅が違いますのでご注意ください。南京行きは「上海駅」、杭州行きは「上海南駅」発着です。ナビは杭州に行くことにしたので、早起きして向かうのは上海南駅!
上海南駅は昨年7月にオープンしたばかりの真新しい駅。主に上海から南方面へ行く列車の発着駅としての役割を担っています。ドーム状の駅舎は総面積3万平方メートルという巨大さで、上から下まで本当にピカピカです。
駅は地下鉄1号線、3号線で市内と結ばれています。随所に案内板があるほか、入り口付近には案内所もあり安心ですね。案内所のスタッフは全員20代の女性、賛否両論あるかもしれませんが、ナビは華やかな雰囲気でいいかなと思いました。
エスカレーターを上がって駅に向かいます。
エスカレーターの途中から見えたこの行列、いったいなんだと思いますか?中国でこの時期の行事といえば・・・そう、春節の帰省切符を買うための行列なんです。この時期に中国大陸を鉄道で移動する人の数はなんと1億5千万人!!日本の総人口より多い・・・。上海には地方からの出稼ぎ労働者も多く、普段は上海で働く人もこの時期だけは故郷に帰り家族全員でお正月を迎えます。
エスカレーターを上ると目の前には光あふれる空間が広がります。これが中国の鉄道の駅?!暗くない!汚くない!薄汚れた上海駅のイメージが強いナビにはかなり驚き。まるで空港のようです。
駅構内に入る前にX線による荷物チェックがあります。こちらは上海駅でもお馴染みですね。
ナビのチケットは「1等軟座」、新幹線でいえばグリーン席です!「First Class Lounge」だって利用できちゃいます。(ちょっと自慢げ)
でも品揃えはやっぱり中国。缶入りのお粥、旅のお供に欠かせない向日葵やカボチャの種(これが片手で上手に食べられるようになればあなたも立派な中国通!)、ナビが大好きな「康師傅」のカップラーメンもありました。以前の杭州行きでは痛い目を見ましたが、今回は本物の康師傅です!
こちらは給湯所。日本では目にしませんが、お茶やカップラーメンを旅の常食とする中国では、給湯機は車内にも駅にも必須の設備です。さすがは上海南駅だけあり、給湯器も最新式。そしてその最新式給湯所の前にしゃがみこんでカップラーメンをすする中国人・・・近代的な設備に前近代的な人々、中国ならではの組み合わせですね。でも所構わずしゃがみこむ人に関しては、仕方無い部分もあるんです。実は駅構内には、待合室を除いてイスがほとんどありません。理由はよく分からないのですが、中国では空港や駅などでベンチをあまり見かけません。無駄を極力省く中国ならではの設計なのだろうかとナビは勝手に想像していますが、とにかく「硬座」など待合室を利用できない等級のクラスに乗車される方で駅での待ち時間が長い場合は、折り畳み式の小さなイスなどを持参されることをオススメします。
いよいよ乗車時間が近づいてきました。ちょっとドキドキしながらプラットフォームに向かいます。
こちらが検察口です。駅員さんに切符を見せます。検察口はいくつかありますが、間違った場所から入ろうとするときちんと教えてもらえますよ。
ナビの乗る杭州行きの列車番号は「N523」。出発は1番ホームからです。
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無駄にポーズを決めるお子様。それにしても福福しく太っていらっしゃいます。一人っ子政策の産物でしょうか。
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~駅構内を散策~
いました!新幹線!!
中国で新幹線・・・未だに自分の目が信じられませんが、上海駅にいるナビの目の前に泊まっているのは新幹線に似た「中国製」の列車。中国国内では、「新型車両は中国が独自ブランドを創設し、知的財産権(特許)も所有している」と報道されていますが・・・新幹線にそっくりです。っていうか新幹線そのもの?? 日本の新聞報道などによると、新型車両は東北新幹線「はやて」「やまびこ」に採用された「E2系1000」をベースに、山東省青島の「南車四方機車車輌股分有限公司」と「川崎重工」など日本企業6社との合弁で造られたとか。真偽はさて置き、中国で新幹線にお目にかかれるとは、ナビ、感激です!
車両名は「CRH2」通称「子弾頭(=鉄砲玉)」、ちなみに「CRH」は「China Railway High speed(中国高速鉄道)」の略だそうです。平均時速200km、全長201.4m、杭州行きは8両の車両を連結させた16両編成になっています。ナビは写真を撮るために前と後ろを二往復しましたが、あまりに長くて過労死しそうでした。
長い長い。先っぽが見えません。
こちらは連結部分。新幹線の連結作業(仙台駅などで見ることができます)を眺めているのが好きなナビ、既に連結させれているのはちょっと残念ですね。
一度は乗ってみたい運転席。中はどうなっているのか気になりますが、いくら中国といえど、ここに入り込むことは容易ではないでしょう。
皆さん記念撮影に余念がありません。ばっちりポーズを取って仕上がりはその場で確認。上手に撮れていないと何度でも繰り返します。ナビの目の前でも5,6回撮り直しをしているお姉さんがいました。そこまでしなくてもと思いますが、中国人(特に若い世代)が写真にかける熱情は半端ありません。
ナビのお友達を発見!新幹線の前で記念撮影を繰り返す人々にかなりイライラしていらっしゃいました。分かるなぁ。鉄道の写真を撮りたいときって、人間は正直ジャマなんですよね・・・
先程も書きましたが、新型車両「子弾頭」は平均時速200km、最高時速250km。4月に予定されている鉄道ダイヤ改正までは従来の時刻表に沿って走りますので最高でも時速160km程度までしか出しませんが、ダイヤ改正後はその能力をフルに発揮する予定です。上海−杭州の距離はおよそ200km、ということは時速200kmで走れば杭州まではわずか1時間(もしくはそれ以下)!これで杭州は完全に上海の通勤圏内に入りました。
~車内を大解剖~
それでは興奮冷めやらぬまま車内に向かいましょう。全ての出入り口で乗務員さんがお出迎え。私服のお姉さんたちは見習い乗務員さんです。「子弾頭にようこそ!」
新型車量の席のタイプは二種類。「軟座(普通席)」と「1等軟座(グリーン席)」があり、車両にはそれぞれ「二等席」「一等席」と書かれています。まずは普通席から見ていきましょう。
なんども言うようですが、日本の新幹線そのもの。
座席はもちろんリクライニングシートです。全席折り畳みテーブルも付いて飲食もバッチリです。
車内案内やゴミ袋も置かれています。日本の鉄道に慣れ親しんでいる皆さんは「だから?」と思われるかもしれませんが、中国の鉄道としては本当に画期的な試みなんです!
五目並べを楽しまれるお祖父ちゃんとお孫さん。微笑ましい光景ですね。
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席番号は「数字+場所(车窗=窓側、通道=通路側)」で表記されています。窓の上のプレートを確認して座りましょう。
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新幹線は窓が開きませんので、緊急時に車外に出るための窓破壊用金槌がありました。これって日本の新幹線にも付いていますか?
次はグリーン席!座席の感覚がとってものんびりしていますね。しつこいようですが、とても中国の鉄道の車両とは思えません。
折り畳みテーブルは肘掛から取り出す方式です。
席番号は数字のみでの表示、窓側か通路側かを確認してからお座りください。
座席は回転しますので、大人数での旅でも楽しく過ごせます。
棚には荷物の置き忘れ対策に鏡まで付いています。本当にしつこいようですが、このような付加価値的なサービスは、日本ではいざ知らず中国では非常に珍しいんです。「中国も変わったんだなぁ」と感慨深いナビ。
とにかく見るもの全てに感動しっぱなしのナビですが、さすがに少し疲れてきましたので、残りは次回にお送りしたいと思います。以上、中国大陸を時速200kmで走る(予定の)新幹線「子弾頭」車内よりナビがお送りしました!
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記事登録日:2007-02-08