文学の香り漂うレトロストリート。歴史的建築群を眺めながら骨董屋さんめぐりを楽しもう。
こんにちは、上海ナビです。
今日ご紹介する多倫路は、2011年初夏にリニューアル工事を終えたレトロストリート。魯迅公園や共同租界旧日本人居住区などを散策するなら欠かせない場所です。通り沿いにはめずらしい建物や骨董屋さんもいっぱい。流し歩くだけでもレトロモダンな上海の雰囲気を満喫できるんですよ。リニューアル後に行くのはナビも初めて。早速ご紹介していきたいと思います!
「虹橋足球場」駅は、3号線と8号線で駅舎が分かれています。
多倫路の最寄り駅は地下鉄3、8号線「虹口足球場」駅。8号線に乗れば「人民広場」駅からわずか4駅目と、意外に市街地から近いんですよ。駅を出たら四川北路をそのまま道なりに進みます。四川北路は曲がりくねって枝分かれの多い道なので、ほかの道にそれてしまわないよう注意を。道路標識をよく見ながら進みましょう。
この門の向こうからが多倫路です。
多倫路は約1kmの短いストリート。四川北路を迂回するような弓なりの道です。今回ナビは、北側と南側に分けてご紹介して行きたいと思います。
骨董店と歴史建築が続く北側
「魯迅公園」側から歩いたときの入り口はここ。向かって右手には半円形のレトロなビルがあります。1924年に個人の邸宅として建てられたものなんだそう。
このビルの一つ向こうのオシャレな建物はゲストハウス(ユースホステル)「KOALA GALDEN HOUSE」。欧米、日本、中国国内などからの若い旅人や、留学生に人気の場所です。1階のカフェ「桉樹珈琲館」は宿泊客以外でも利用できるので、旅の情報集めや休憩に利用してみては。コロニアルテイストの内観は必見です。
ここから道なりに歩いていくとこんな風景が
道に沿ってカーブしている3階建てのアパート「永安里」。
ヒスイの装飾品を扱う「玉工坊」
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入るのにちょっと勇気がいる「毛沢東像章蔵館」
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ナビのオススメはこちら。上海人のおじさんが二人で店番をしている骨董屋さん「大上海1933」です。こちらの魅力は生活に密着した骨董を扱っているところ。仏像、景徳鎮、青銅器、水墨画のような、「いかにもフェイク」なものは扱わず、食器、電話機、ドアノブ、タイプライター、ポットなど、使っていた人の思いが残っているような庶民派骨董が店内にぎっしり並んでいます。
食事をするならこちらはいかがでしょう。多倫路では老舗の韓国料理店「虹東」です。ゲストハウスに滞在している外国人にも人気のお店で、韓流アイドルが上海でコンサートを開催した際にもよく利用するお店なのだそう。焼き肉、ビビンバ、チゲ、チヂミなど、定番韓国料理が揃っています。
南側から歩いてみよう
市中心からタクシーで多倫路を目指すと、降ろされるのは大体ここ。多倫路の入り口のちょうど向かい側には、大正時代に詩人・金子光晴が2年間暮らした路地「余慶坊」があります。
見落としそうな小さな入り口の「余慶坊」。
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向かいに入り口の門が見えます。
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道を入って左手には、不定期で現代アート展を開催している「多倫現代美術館」が。周辺にも歴史を感じさせてくれる洋館が多数たたずんでいます。
世界的にもめずらしいといわれる中国風の教会「鴻徳堂」。1928年竣工。
道ばたで魯迅が仲間とおしゃべりしています。
教会の脇の「鴻徳書房」の前に建っているのは内山完造。
レトロなお店もずらり。
中国茶で休憩するならこちらへ。「老茶楼」。
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コーヒー派はレトロ映画をテーマにしたカフェ「老電影」へ。
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周辺は地元の人たちの集いの場でもあります。
このエリアのナビイチオシのお店は、魯迅の小説「孔乙己」に出てくる酒場をイメージした紹興料理店「咸亨酒店」です。ここで夕食を食べて紹興酒を飲んで、そのままいい気分でタクシーでホテルへ帰りたいなんていうときにはぴったりのお店。ナビも個人的に大好きなお店の一つです。売店ではお土産用の紹興酒も購入できるんですよ。
東横浜路にそれてみよう!
多倫路の南側を歩くと、右手にこんな路地があります。数100mの短い道ですが、古き良き上海の路地裏の姿が色濃く残っている場所。屋台やくだもの屋さん、放し飼いの犬猫、レトロな住宅などを眺めながら、ぜひ歩いてみて下さい。
昔ながらの路地裏風景が残っています。
いかがでしたか? 旧フランス租界のレトロモダンとはまたひと味違う、庶民的でのんびりしたレトロな上海が見られる多倫路は、豫園や新天地のにぎやかさに疲れたときに出かけてみるのもオススメです。魯迅や郭沫若など、近代の作家の本をどれか一冊読んでくるだけでも、歩いたときの充実度は変わるかもしれません。
以上、上海ナビがお伝えしました。