居心地のいい店内には品揃え豊富な中国茶葉やセンスの光る茶器がいっぱい!中国伝統茶芸教室も人気の中国茶サロン。
こんにちは、上海ナビです。
今回は、在住日本人も多いことで有名な西側の古北(グーベイ)エリアにある中国茶サロン「奉茶(フォンチャー)」をご紹介します。
こちらは各種中国茶、茶器類を販売しているだけでなく、併設される茶芸教室は上海にある外国人向け茶芸教室の先駆けとしても有名。口コミで評判になったお店は、上海在住の日本人マダムだけでなく、海外にもファンがいっぱいなんだそう!
では、さっそくお店にお邪魔してみましょう!
◆お店は「古北」住宅街の一角にあります
お店は古北カルフールなどで在住者にはおなじみの水城南路と、その南にある栄華西路との交差点近くにあるマンション「金龍公寓」内にあります。
写真のように、右手に上島珈琲が見えるマンションの門を入ると、すぐ左手の1階部分にお店が見えます。
どことなく日本的な和みを感じる玄関のドアを開けてみると、右手にはたくさんの中国茶がお出迎え。入り口から彩りやディスプレイが可愛いんですよ。
その奥に入ると、たくさんの中国茶や茶器が所狭しとギッシリ並ぶにも関わらず、とても居心地がいい空間が。
さらに奥に見える2部屋は茶芸教室としても利用されているそうです。壁にはちゃんと教室らしく小さなホワイトボードも掛かっていて、しっかり習えそう!
ちなみに何となくお手洗いの写真まで撮ってしまいました。だって、いい雰囲気なんですもん。と、カメラを構えるナビの横でお店の方が「お客さんも写真を撮っていかれる方がいるのよ」とニコニコ。
~店内には手にとって見たくなるものがイッパイ!~
中国茶の種類もさることながら、茶器類も欲しくなっちゃうものばかり。ザッと見るだけでも、簡単にいくつかピックアップできてしまう品揃え!
★中国茶葉
可愛い茶壷に入った中国茶。“金太郎の前掛け”みたいな赤い紙に茶種と価格が明記されています。龍井茶、鉄観音、茉莉花茶など有名中国茶から通も喜ぶ銘柄まで、たいていのものは揃います。
お茶に詳しくなくても目と香りだけで楽しめるのがこんな工芸茶。50gで7~8個です。
左/ジャスミンの花が開く「七仙女茉莉」<30元/50g>
右/千日紅の花の下に菊の花が咲く「千日紅菊茶」<50元/50g>
また、こちらは普洱(プーアール)茶の品揃えもかなり豊富!さらに、シンプルなパッケージングにも味があり、お土産にも喜ばれそうです。
固形タイプの 「餅茶(ビンチャー)」 や 「茶(ヂュアンチャー)」 もいいんですが、気楽なお土産ならこの小さな一粒サイズの 「沱茶(トゥオチャー)」 もいいですよ。簡単に淹れられ便利!
日本人にはめずらしいこんな普洱茶も!
左/柚子の中に普洱茶を入れて乾燥させた 「香柚普洱(柚子プーアール茶)」 は、飲み続けると美容と健康に良さそう! <88元/1つ>
右/雲南省の少数民族が作る竹筒に入った珍しい普洱茶 「竹筒茶」。長期保存するより、竹の香りのある早めの時期に飲むのが◎。<120元/1つ>
また、こんな奉茶オリジナルの茶器や普洱茶も販売されています。茶芸教室の生徒さん向けに多く発注して作っているので、お値段も他よりリーズナブルに提供できるそう。 茶器/60元、普洱茶/ケース付き55元、本体50元
★茶器
また、茶道具も豊富!お茶を購入するついでに、ついつい手を伸ばしてしまうことウケアイ!
白地に蓮の花が描かれた茶器セット。浮き出し柄になっているのが珍しく、とても可憐な雰囲気です。<1,280元>
|
|
紫砂の茶器はいずれも個性的!
左/蓋に金魚、ボディに蓮の葉と蕾が付き、足はレンコンが!<280元>
右/こちらも蓮モチーフですが、蓋には“蓮の葉ベイビー”がお休み中。<260元>
|
こちらの一角には、アンティーク調の絵付けが施されたものが並びます。茶葉の保存器や器に混じり、嗅ぎ煙草入れも。
大振りの牡丹がクラシカルなセット<1,600元>
|
|
長い高台のついた酒杯のような形。珍味などを盛ってもステキかも!<90元>
|
見ているだけで「コレも、アレも…」と、目移りしちゃうナビ。実際に使ってみても、またお部屋のインテリアとしても映えそう…。そんな、センス溢れるものがホントに多いんですよ。
ナビが取材している間にも、午前中から日本人のお客様がチラホラ。お客様全体の50%が日本人なんだそうです。
~ここでひとつお手前拝見~
さらに、今回は試飲するついでに中国茶のお手前もお願いしちゃったナビ。お茶の淹れ方もイロイロなんですが、今回は「聞香杯」を使ったお作法で淹れていただきました!
1. 茶葉を茶荷に出し、茶葉の形や色を楽しみます。 こちらは秋の新茶、安渓鉄観音(福建省)。ポリフェノールが豊富で、余分な脂を排出する助ける働きがあるそうで、食後にもオススメですね。
2. 茶壷、茶杯を洗うと同時に温めます。
茶壷(急須)に湯を注いだら、そのお湯を茶海(ピッチャー)に捨てます。さらに、茶海に捨てた湯を茶杯(聞香杯と飲杯)に注ぎ、捨てます。
3. 洗茶をし、茶葉の香りを聞きます。
茶葉を茶壷に入れ、高い位置から湯を注いだら、香りが出ないようすぐに茶壷の湯を全て茶海に注ぎ移します。ここで、お湯で目を覚ました茶葉の香りを聞きます。
また、茶海に捨てたお茶は再び茶杯に注ぎ、茶杯を温めておきます。
4. ここからが<第一泡>です。
茶壷に改めてたっぷり湯を注ぎます。蓋をしたら、上から茶海に残った洗茶後の茶をかけます。少し蒸らした後、茶海に注ぎ移します。茶杯を温めていた茶はここで捨てます。
茶海のお茶を聞香杯(筒型の長い茶杯)へ注ぎ分けます。その後、聞香杯に飲杯(普通の茶杯)を被せます。
これをクルリ180度ひっくり返し茶托に載せたら、お客様の左手に差し出します。
5. いよいよ、お茶の香りと味を楽しみます。
聞香杯を飲杯のふちを回転させるようゆっくり開けながら、お茶を飲杯に移します。その後、両手に挟んだ聞香杯を鼻の近くで転がし空気に触れさせ、お茶の香りを楽しみます。
香りを楽しんだら、聞香杯は飲杯の左手に置くのがお作法。香りを楽しみながら飲杯のお茶の味を味わいます。
いただいた安渓鉄観音は、清々しくもうっすら甘みをたたえた味わい。 3煎目くらいまでは聞香杯を使って香りを楽しめますが、それ以降は茶海から飲杯に直接注いでいただくそうです。
こうしたお手前をうけてお茶を頂くと気持ちもスッキリするうえ、ホントに心と体の内面から豊かな時間を満喫できますね。
忙しくても、時にはこんな時間を持たなきゃダメだな、と思わずにいられません!
~最後に、こんなお話~
上海人オーナーの李娜(リナ)さんが、このお店の前身となる中国茶店「茶縁小築」を経営していた数年前。とある日本人太太(タイタイ=中国語で‘奥さん’)が「学費を払うから茶芸を教えて欲しい」と李娜さんに申し出たことがきっかけで、思い切って上海初の外国人向け茶芸教室を開いたそう。ここから多くの日本人太太さん達に噂が広まり、今の人気につながったそう。
今でもまだまだお若いオーナーの李娜さんですが、以前の「茶縁小築」をオープンしたのはなんと20歳を少し過ぎた頃らしいんです。センスと才気のある方はやっぱり違いますね!
なんとなくあったかムードで、茶葉や茶道具を見ているだけでも飽きない「奉茶」へ、皆さんも一度足を運んでみてくださいね。
以上、上海ナビがお伝えしました。