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上海を代表するラグジュアリーな観光スポット! ウォーターフロントの歴史建築群をゆっくり鑑賞してみよう。

こんにちは、上海ナビです。
上海を代表する観光地といえばやっぱりここ、外灘です。旅番組でも、ガイドブックでも、必ず最初に紹介される鉄板スポットですよね。外灘は、上海の歴史を感じつつお散歩したり、建築物鑑賞をしたり、ちょっとリッチな気分で食事をしたり夜景を眺めたりする観光地です。でも、なんとなく風景を見て、記念写真を撮って終わりという方が多いのでは? じっくり歩いてみると意外と奥深い場所なんですよ。

「外灘」へ行こう!

南京東路から徒歩圏内

南京東路から徒歩圏内

「外灘」の最寄り駅は地下鉄2、10号線「南京東路」駅。ここから南京東路をテレビ塔「東方明珠」が見える方向へ歩けば必ず着きます。足に自信があるという方は、人民広場や豫園から路地歩きを楽しみつつ歩くのもオススメ。
一般的に「外灘」と呼ばれているのは、北は蘇州河、南は延安東路までの「中山東一路」と呼ばれる通りです。南北約1.5km。まずは地図を見てみて下さい。こんな風に縦長に見どころやホテルが分布しています。
2010年の工事後、道路幅が広がり地下に車道ができました

2010年の工事後、道路幅が広がり地下に車道ができました

外灘の歩き方
外灘といえば、いちばん川沿いのデッキのような場所「外灘遊歩道」が有名。記念撮影や、陸家嘴の高層ビル群を眺めるにはもってこいの歩道です。そして、デッキの下にも実は歩道があります。ここは歴史建築群を建築鑑賞目線で眺めながら歩くのにぴったり。下のコーナーでナビが撮影した建物の写真は全部ここから撮っています。歴史建築をもっと間近で見たい、お店のショーウインドーを眺めながら歩きたいという方は、車道を挟んだ建築物側の歩道へ。「外灘といえば食事やお酒!」というナビは、普段はもっぱらここを歩いてます。この3本のルートを好みで選んで歩いてみて下さい。
川沿いの外灘遊歩道

川沿いの外灘遊歩道

遊歩道デッキ下の歩道

遊歩道デッキ下の歩道

建物側の歩道

建物側の歩道

戦前の建物が残っている場所です

戦前の建物が残っている場所です

外灘の歴史をおさらい
1843年11月17日、アヘン戦争終結時に結ばれた南京条約により上海港が外国に向けて開港されると、1845年のイギリス租界を皮切りにフランスやアメリカなど列強各国の租界地 (=中国の主権が及ばない外国人居住区) が設けられるようになりました。外灘の建築物はその租界時代、特に1920年代から30年代にかけて各国商人や金融機関がこぞって建てたもの。租界は1945年の第二次世界大戦終戦以降なくなりましたが、当時の建築は今もなお荘厳な風格と共に外灘の歴史を伝えています。

延安東路〜福州路

それでは早速、「外灘」を南側から見てみましょう。ナビは「南は延安東路まで」と区切りましたが、2012年11月現在、これより南の十六鋪エリア周辺にも新しいビルの建築ラッシュが始まっています。数年後には「南外灘」がにぎわっているかもしれませんね(2012年11月現在)。
では、南から北に向かって順に主要建造物をご紹介して行きたいと思います。
旧アクベインビル(2012年11月現在工事中)
上海の中心を東西に走る延安東路との交差点に位置するこの建物は、1916年にアクベイン商会の事務所として竣工したもの。現在は通称 「外灘1号」 とも呼ばれています。外壁に赤と白の二色のレンガを使ったネオバロック様式の建物です。
旧上海クラブ(ウォルドルフ・アストリア上海オン・ザ・バンド)
イギリス人会員を中心とする親睦団体 (英国総会) の上海クラブとして華やかな歴史を持ち、1910年に改築されたネオルネッサンス様式の建物。外灘の中でも複雑なデザインで有名な建物です。設計はタラント&モリス事務所、内装は日本人の下田菊太郎が手がけました。現在は外灘エリア有数のラグジュアリーホテル「ウォルドルフ・アストリア上海オン・ザ・バンド」として使われています。上海最古のエレベーターが現在も使われているんですよ。
旧ユニオン・アシュアランス・カンパニーズビル(外灘3号)
租界時代の1916年、パーマー&ターナー事務所の設計による建物で、当時流行し始めていたアールデコ様式を取り入れつつ、それ以前の趨勢だったネオバロック様式の重厚な建築に仕上がっています。竣工当時は5階までをユニオンアシュアランス社が使用、6階から上は高級マンションでした。現在は、レストランやアルマーニなどのブランドショップが入る複合ビルとして人気を得ています。
旧日清汽船上海支店(外灘5号)
上海の夜のダイニングシーンとして人気を誇る 「M on the Bund」 や 「Glamour Bar」などが入るラグジュアリースポット 「外灘5号」。もとは日清汽船の上海支店として1925年に竣工、古典主義様式の建築を得意とするレクターが設計したこの建物は日本近代西洋様式と言われています。ちなみに、縁起かつぎの関係でしょうか「外灘4号」というビルは存在しないんです。

旧中国通商銀行(外灘6号)
1897年竣工の、中国人による最初の銀行として創設された中国通商銀行の本店。イギリス式のアン女王復古スタイルと言われています。もとは赤レンガ造りだったそうですが、現在は壁面が白く塗られ、ブルーのトンガリ屋根と共に気品溢れる印象を与えています。現在は「外灘6号」として人気の和食レストラン「SUN with AQUA」 や併設のバー 「AQUARIUM BAR 」 などが入り、連日にぎわっています。
旧大北電報公司(バンコク銀行)
1907年に完成したこの建物は、1882年に中国で最初の電話交換所を設置した大北電報公司の社屋として建てられたもの。上海市優秀歴史建築の1つにも数えられるデザインはアトキンソン&ダラス事務所による設計で、建物全体の円柱の配列の美しさはネオバロック様式ならでは。現在はバンコク銀行として使われています。門の上を飾る装飾が印象的ですよね。
旧輪船招商総局(外灘9号)
1901年に白銀200万両で建てられてという3階建てのレンガ作りのビル。現在は1階に高級ブティックが入っています。また、このビルの向かって左手の路地を入ると、日本人旅行者にも人気のシノワズリ雑貨店「ANNABEL LEE」がありますよ。
このエリアの風景です。外灘遊歩道の壁型花壇と、アメリカのウォール街にもあるという巨大牛のオブジェがあります。
壁型花壇

壁型花壇

牛の前は記念撮影スポットになっています

牛の前は記念撮影スポットになっています

福州路〜南京東路

「外灘」でもっともにぎやかなのがこのエリア。川側の遊歩道は、休日ともなると落ち着いて写真が撮れないほどの通行量になります。ツアーの方、歴史や建築にそれほど興味がないという方、食事をしたりするほど時間がないという方は、ここで記念撮影だけするという場合が多いよう。
旧匯豊銀行上海分行(上海浦発銀行)
1923年に完成したこの建物は、パーマー&ターナー設計事務所による古代神殿建築の流れを汲む新古典主義建築様式です。横に長く、左右対称なデザインと中央にそびえるドームが目を引きますよね。1995年までは上海人民政府庁舎として利用されていたそう。八角形のエントランスホールや、天井に描かれた世界の金融8都市(ロンドン、パリ、NY、バンコク、上海、香港、東京、カルカッタ)の風景は必見。
旧江海関大楼(上海海関大楼)
1927年竣工、パーマー&ターナー事務所の設計によるもので、古典主義の様式を取り入れた近代建築として高い評価を受けた建物だそう。正門には古代ギリシアの神殿を模した美しい4本の円柱や、15分に1度鐘を響かせる直径5.3mの時計台も見もの。かつては黄浦江を通過する船舶からの徴税を行う税関だった建物です。
旧交通銀行(上海市総工会)
アールデコ様式が流行った1940年に 「交通銀行」として建てられた、外灘の中でも最も新しい建物がこちら。他の建築物とは異なり、シンプルで直線的なデザインが特徴的。以前はこの場所に、英国マーカンタイル銀行の上海支店が置かれていたそう。
工事中ビル(2012年11月現在)
お隣に工事中のこんなビルが。比較的新しい建物のようです。今後どんな施設が入るのでしょうか。
旧露清銀行上海支店(上海外匯交易中心)
1901年、旧帝政ロシアに本拠を置いた露清銀行の上海支店として建てられたこのビルはドイツ人ベッカルの設計で、上海初の鉄筋コンクリートの建築物としても知られています。露清銀行は1917年のロシア革命以降は本店をパリに移し業務を続けていましたが、1926年に倒産、上海支店も閉鎖されました。
旧台湾銀行上海支店(招商銀行)
1926年に完成したこの建物は、当時日本が台湾に創設した台湾銀行の上海支店として使われていたそう。正面に立つ4本の大きな円柱が特徴のこの設計は、外灘5号と同じくレスター・ジョンソン&モリス事務所によるもので、随所に西洋風の近代日本建築様式も見られます。現在は「招商銀行」になっていて、外貨両替もできるのでぜひ利用を。
旧ノースチャイナ・ニューデイリーニューズ&ヘラルド社屋(桂林大楼)
現在はアメリカの保険会社 「AIA」 のマークが目印のこの建物は、当時の中国での有力英字紙 「ノースチャイナ・ニューデイリー」 の社屋として使われていました。1922年にレスター・ジョンソン&モリス事務所の設計で建てられた古典主義様式の建物です。
旧チャータード銀行上海支店(外灘18号)
AIAビル向かって右隣に建つ 「外灘18号」 は、カルティエなど高級ブランドショップや有名レストラン&バーなどが入り、多くの在住外国人や旅行者たちを魅了する再開発スポットの1つ。ここは1923年にパーマー&ターナー事務所による設計で完成したもので、新古典主義の建築スタイル。現在の建物内はアールデコ調のデザインが施されています。
旧パレスホテル(スウォッチ・アート・ピース・ホテル)
1903年にパレスホテルとしてオープンした建物。当時は孫文なども滞在していたといい、第二次世界大戦中は日本が占領していたそう。その後、長らく「和平飯店南楼」として知られていましたが、現在はアーティストのためのホテル「スウォッチ・アート・ピース・ホテル」として使われています。1階にはスウォッチ、オメガなどの高級時計店が入っています。
このエリア周辺の風景です。どこも観光客でいっぱい! いちばん人気の記念撮影スポットです。

南京東路〜蘇州河

にぎわう南京東路エリアから外白渡橋のかかる蘇州河までのエリアです。意外と観光客が少なくて気持ちよく歩けますよ。風景は抜群です!
旧サッスーンハウス(フェアモント・ピース・ホテル)
パーマー&ターナー設計事務所による典型的なアールデコ様式で、租界時代の上海を代表する大財閥サッスーンの本拠地として建てられました。1階から3階は銀行や商店などに貸し出され、4階はサッスーン配下の会社の事務室、5階から10階はキャセイ・ホテルとして使われていたそうです。また、トンガリ屋根の下の11階は、サッスーン財閥の当主であったヴィクター・サッスーンの自室になっていました。現在でも、この建物は上海名門のクラシックホテルとして大人気です。
旧中国銀行本店(中国銀行上海支店)
1912年に創業した中国銀行。1927年にはそれまで北京に置かれていた本店が上海に移されました。こちらの建物は1937年に中国銀行本店として建てられ、現在でも中国銀行上海支店として使われています。パーマー&ターナー設計事務所によるもので、中国的なデザインを取り入れたアールデコ様式です。ここでも外貨両替可能。内部見学を兼ねて入ってみては。
旧横浜正金銀行上海支店(中国工商銀行)
日系銀行の横浜正金銀行が上海に支店を開いたのは1893年のこと。香港上海銀行やチャータード銀行に並ぶ3大為替銀行に成長した後、パーマー&ターナー設計事務所に依頼して1924年に竣工したのがこちらの建物です。建物の正面は古典主義建築様式で、荘厳な印象。現在は、中国工商銀行として使われています。
旧ヤンツ・インシュランス・アソシエーションビル(中国農業銀行)
こちらもパーマー&ターナー設計事務所によるアールデコ様式の建物で、1916年に竣工したものです。4層の異なる風格を持つ外部のデザインには、アーチ状の窓や彫刻などにより変化が付けられ、小さい建物ながら印象的。現在では地盤沈下により、正面からみると左側に傾いて見えるんですよ。
旧怡和洋行/(THE HOUSE OF ROOSEVELT)
租界時代の上海において大きな経済力を持っていたイギリス系の貿易商社ジャーディン・マセソン商会の中国拠点として1920年に竣工したのがこちらの建物。ギリシア ローマの建築様式を取り入れつつ、全体的にはネオルネッサンス様式の重厚な建築物に仕上がっています。現在はアメリカのルーズベルト家が所有するラグジュアリービルとして人気。巨大ワインセラーやルーフトップバーで食事やお酒を楽しめます。
旧グレンラインビル(2012年11月現在工事中)
こちらも、外灘の多くの歴史的建築物を手がけたパーマー&ターナー設計事務所により1922年に竣工した建物で、当時はグラスゴーに拠点を持つ海運業者グレンライン社の社屋でした。各所には彫刻による美しい装飾が施され、上海市優秀近代建築にも指定されています。2012年11月現在、こんなふうに外装も包まれて工事されていました。どんなビルに生まれ変わるのか楽しみです。
旧インド・スエズ銀行(中国光大銀行)
現在は中国光大銀行の入るこの建物は、1914年にフランスのインド・スエズ銀行 (当時はこの銀行の前身であるインドシナ銀行) の上海支店として建てられました。こちらはパーマー&ターナー設計事務所ではなく、当時東アジア最大の建築設計事務所だったアトキンソン&ダラス事務所によるもので、ネオバロック様式の建築スタイルを持っています。
ザ・ペニンシュラ上海
外灘エリアでも1、2の人気を争う5つ星ホテル。こちらの建物はこのホテルのオープンに合わせて2000年代に建てられたものです。でも、景観を損ねないシックで重厚感あふれる建物にしたのはさすが。思い切り外灘歩きを楽しみたいという方は、ぜひここに滞在してみて下さい。
外白渡橋
蘇州河に掛かる 「外白渡橋 (ガーデンブリッジ)」 は1907年に架けられた橋で、現存する鉄橋として中国で最も古いものだそう。100年以上が経過した今でも古いスタイルのままで残る名所の1つになっています。
中国最古の鉄橋です。後ろに見えるビルは「上海大厦」 中国最古の鉄橋です。後ろに見えるビルは「上海大厦」

中国最古の鉄橋です。後ろに見えるビルは「上海大厦」

人民英雄紀念塔(黄浦公園)
このエリアのシンボル的塔。アヘン戦争、五四運動などで命を落とした烈士のために建てられたもので、塔の下には「外灘歴史記念館」があります。より深く外灘を知りたいという方は訪れてみてください。
上海の政治家、陳毅の像があります

上海の政治家、陳毅の像があります

このエリアの風景です。オープントップバスの乗り場と外灘観光隧道入り口があるので、利用する方は覚えておいて下さい。観光案内所、待ち合わせに使えるカフェエリアなどもあります。
オープントップバス乗り場

オープントップバス乗り場

観光案内所。日本語の簡単なパンフがあります

観光案内所。日本語の簡単なパンフがあります

外灘観光トンネルのチケット売り場

外灘観光トンネルのチケット売り場

観光トンネル入り口

観光トンネル入り口

カフェが並ぶ一角も。ツアーの集合場所にしている団体が多いようです カフェが並ぶ一角も。ツアーの集合場所にしている団体が多いようです カフェが並ぶ一角も。ツアーの集合場所にしている団体が多いようです

カフェが並ぶ一角も。ツアーの集合場所にしている団体が多いようです

「外灘」の楽しみ方・番外編

歴史、建築、記念撮影、夜景鑑賞だけじゃない外灘の楽しみ方もあります。こんな角度からも楽しんでみて下さいね。
おのぼりさん観察
発展を続ける上海からは想像もつかない山奥、農村、少数民族居住地が中国にはあります。そんな奥地から上海見物にやってくる人たちに遭遇すると、『初恋のきた道』とか『山の郵便配達』みたいな、少し前の素敵な中国映画の世界が農村部にはまだ残ってるんだな〜とか思えてしみじみしてしまいます。中国奥地に行かなければ出会えない素朴な彼らを観察するなら外灘です。
民族衣装が普段着の人たちにも出会えます 民族衣装が普段着の人たちにも出会えます

民族衣装が普段着の人たちにも出会えます

新郎新婦観察
結婚式の前に街頭で写真を撮る文化がある上海。外灘はそんな結婚写真の撮影のメッカです。どんな衣装のどんな新郎新婦がいるか、異国で観察するのはなかなか楽しいもの。ものすごい豪華リムジンで登場する新郎新婦もいたりして見応えたっぷりです。狙い目は結婚シーズンの10月と6月。
豪華リムジンで外灘に乗り付け、うっとりポーズの新婦さん 豪華リムジンで外灘に乗り付け、うっとりポーズの新婦さん

豪華リムジンで外灘に乗り付け、うっとりポーズの新婦さん

日の出を見よう!
夜景もいいけど、早朝の外灘も捨てがたいんですよ。陸家嘴のビル群が逆光になる風景はすごく幻想的。また、ダンスや太極拳、凧揚げを楽しむ地元の人とも交流できます。ぜひ日の出の時刻に合わせて外灘に出かけてみて下さい。
ビル群の向こうから朝日が昇ります

ビル群の向こうから朝日が昇ります

犬とジョギングするおじさん

犬とジョギングするおじさん


いかがでしたか? ナビも最初、ぼんやりと「定番の有名観光地」だと思っていました。でも、歴史建築のビルに隠された歴史を知ったり、素敵なお店がそのビル内に詰まっていることを知って以降、ナビにとって外灘は一日過ごしても足りない場所に変わりました。皆さんものんびり時間をとって、散策に出かけてみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。


記事更新日:2012-11-27

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関連タグ: 歴史建築群

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2006-10-31

スポット更新日:2012-11-27

利用日
女性 男性

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