杭州観光の目玉、「西湖」を満喫するには遊覧船に乗るのが一番!アクセス便利な「湖濱一公園」の船着場からの半日周遊をご紹介!
こんにちは、ナビです。
杭州観光の見所No.1は、言わずもがな地図上にドド~ンと広がる西湖。唐代詩人の白居易やマルコ・ポーロの言葉にも残される杭州の美しさは、この西湖があってこそ! そして毎回杭州を訪れると感じるのは、大都市の上海とは違って “ バカンス (または、避暑地) ” の雰囲気が漂っていること。そんな旅のムードを100%満喫するには遊覧船に乗って西湖そのものを楽しむのが1番です!
西湖周辺には各所に船着場があり、手漕ぎ船やモーターボート、屋形船のような遊覧船が発着しているのですが、中でも簡単にトライできそうな1つをナビが試してきました!
今回ナビが利用するのは 「湖濱一公園」 にある船着場です。ここは西湖の東湖畔 “ 湖濱路×解放路 ” の交差点脇に位置する公園で、東湖畔の各ホテルや商業エリアからのアクセスが良いだけでなく、公園周辺も飲食施設が充実の便利な場所なんです。交差点近くの湖側には、「杭州西湖」 と書かれた大きな石が立っています。
チケットは大人1名45元 (背丈1m~1.3mの子供は半額)。このチケットには、終点までの船代と途中立ち寄る各島への入場料が全て含まれています。簡単に言うと、お金を払うのはここ1回だけでOKということです。
★遊覧船のルート(1.~3.の順に進みます)
1. 「湖濱一公園」 ⇒ 「湖心亭」
2. 「湖心亭」 ⇒ 「小瀛州 (三潭印月)」
3. 「小瀛州 (三潭印月)」から先は、次の4ヵ所から1ヵ所を選びます。
・ 湖濱公園 (出発地に戻る)
・ 花港観魚 (西湖南湖畔へ)
チケットを購入したら船に書かれた番号を確認して船に乗り込みましょう。席は全て早いもの勝ちなので、見晴らしの良いデッキサイドの席をキープしたいならお早めに!
午前9時25分/出発
船が出発すると、ガイドのようなお姉さんが周囲の景色について簡単に説明してくれます。この最初のルートでは、まず湖上の全体的な景色を満喫しましょう。約10分で 「湖心亭」 に到着しますよ。
船を下りると、乗客たちは各自自由に観光開始。次の島に移動する船は不定期にやってきますが、どの船に乗ってもいいので自分のペースで観光が楽しめます。
湖心亭
西湖に浮かぶ島の中で最も小さい 「湖心亭」。中央部に建つ島と同じ名前の建物は、明代嘉靖31年 (1552年) に建てられ、当時は 「振鷺亭」 と呼ばれていたそうです。美しい湖と青い空の中に佇む小さな島は、すでに清代には西湖十八景の1つとして称えられていたんですって。
「湖心亭」の中は売店になっていて、シルクパジャマが3セットで100元という価格。ざっくり、杭州の観光地各所で見られる典型的なお土産物が並んでいます。
湖の傍では柳の木がサラサラ風にそよぎ、建築物の周辺には緑の木々が生い茂り、そこには小さいながらも雅やかな空間があります。小さな島なので、観光はじっくり見ても30分もあれば十分ですよ。
「三潭印月へ行く方はこちらへ向かってください」、との看板。船の絵が書いてあるので、この先に船着場があることがスグ分かりますよ。
午前10時05分/出発
船着場にはタイミングよく船が来ていました。次は 「小瀛州 (三潭印月)」 に向かいます。一元札の裏側にも描かれる 「三潭印月」 がメインの見所だと思うんですが、楽しみだな~。今回はものの5分ほどで到着しました。
小瀛州(三潭印月)
「小瀛州(シャオインジョウ)」、または西湖最大の景勝地 「三潭印月」 の呼び名で名高い島に到着しました。こちら、西湖に浮かぶ島の中では一番大きく、じっくり回ると軽く1時間以上は掛かってしまう規模! 自然美の他、「九獅石」、「閑放台」、「我心相印亭」、「卍字亭」、「亭亭亭(?!)」、「開網亭」などの建造物があるみたいです。
この島は明代の万歴年間に西湖の泥が堆積してできたものらしいんですが、面白いことに島の中にも4つの美しい湖があるんですよ。だから、島を上から眺めると “ 田 ” の字型! この “ 湖の島の中に、また湖がある ” という構造は、水上庭園の傑作の1つとも言われているんです。緑と湖に包まれた充実の “ 自然浴 ” で気分爽快!
この島で最も有名な景色がこちら、「三潭印月」 です。「潭」 とは中国語で池や湖の一番深い場所を指す言葉で、一番深い場所に石塔を建てることで湖底に泥が体積しない役目があるんだとか。水面から2mほどの高さに突き出す3本の石塔は、中秋節になるとロウソクの火が灯され、月光とロウソクの光が湖面に映し出される幻想的な景色が広がるんだそうですよ。そんな話を聞くと、ナビもここで中秋節を過ごしたくなりました!
上海の豫園商城にある九曲橋にもよく似た橋がありました。この橋の先には「三潭印月」と書かれた石碑が立ちはだかっています。
湖を抜けたところには茶館があり、その周囲には絵描きさんが商売中。脇には可愛いオウムがいたんですが、このオウムも商売道具のようで一緒に写真を撮るには5元必要なんですって。でも、鳥が好きなので隠し撮り…。そして売店脇に目をやると、色んな人が何やら同じものを食べているんですが、一体何?
売店の人に聞くと、杭州の特産品なんだとか。「西湖藕蒓」 と書かれたパッケージを眺めつつ、試食がてら脇にあった1カップ5元を買ってみました。レンコンから取った澱粉をベースに、モクセイやハスの実の成分等が入っているそうですが…。ちょっと甘いトロトロの食べ物で、「どこかで食べたことのある味 (溶かした盆菓子みたい?)」 でした。
園先には中国庭園でもお馴染みの建物や景色が続きます。途中にはちょっとした竹林もあり、のんびり歩くだけでリラックスできます。
とにかく、緑が、そして太陽が眩しい! そんな観光、バカンスモードがみんなの心で燃え上がり、カップルたちも愛しの彼女の撮影に余念がありません。ここに至るまで、どれだけのこんなカップルを目にしてきたことか。中国人は撮影される側も堂々とポーズをキメて、サマになっているのがすごい!
船着場の近くに来ると、またまた 「船はこっち」 の看板が出ています。ここから先は冒頭にも書いた通り、4つの行き先に分かれます。ご自分のプランに合わせて、次に行くと都合がいいな~と思う場所に近いところを選びましょう。
ナビはこの後、中山公園にある 「楼外楼」 でお昼ご飯を食べたかったので、迷わず 「開往中山公園、楼外楼方向 (中山公園、楼外楼方面行き)」 の乗り場へ向かいます。これなら市街地に近い湖畔の北東部に戻っていけるので、帰りの足 (交通) もそんなに心配になりません。
午前11時05分/出発
今回は船着場に早く到着しちゃったみたいで、船に乗って15分近く待ってから出発しました。日差しが強くなってきたので、船内に席を取りのんびり。遠くにだんだん中山公園のある 「孤山」 が近づいてきましたが、景色はまるで瀬戸内海の小さな島みたい (?)。ここまで約7分で到着です。
孤山
孤山は白堤で西湖の北湖畔に繋がるも美しい観光名所で、時間があればぜひ足を運んでもらいたいスポットです。ここには、「中山公園」、「西泠印社」、「浙江省博物館」、そして杭州にあるレストランでも有名な「楼外楼」などがあります。
西湖の遊覧船はこの地(または、お好みで皆さんが向かったその他3ヵ所)で終わりになりますが、ナビが中山公園で回った場所をご紹介しましょう。
中山公園
船着場からすぐの場所に中山公園の門が見えます。ここは清代に康煕帝や乾隆帝の行宮が行われたところだそうなんですが、奥に入っていくと赤字で大きく 「孤山」 と書かれているのが印象的です。「孤山」 のさらに奥地まで入っていくと島の北側に抜けることができ、また 「西泠印社」 などへも繋がっているようですが、ちょっと迷いそう。
楼外楼
中山公園の南門と西泠印社の間に位置するのが1848年創業の老舗レストラン 「楼外楼」。聞くところによると、孫文や魯迅を始め数々の著名人が訪れた超有名店なんです。
上海に「紅焼肉(ホンシャオロウ)」あらば杭州には 「東坡肉(ドンポーロウ)」 あり! 豚の三枚肉を醤油と氷砂糖、紹興酒で煮込んだ 「東坡燜肉 (13.5元/1人)」 や、このお店の看板料理でもある 「叫化童鶏 (=こじき鶏、148元)」 などをオーダーしました。蓮の葉に包んで蒸し焼きにされた鶏肉は、料理人さんが目の前で蓮の中から出してくれます。
「本店のほうはゴージャスすぎて気が引ける」、または 「1人旅だけどこの店で食べてみたい」、という方は、中山公園の門の近くにあるシンプルな外観の小さな 「楼外楼」 がオススメです。ナビはこちらで食事しました。
住所(本店): 孤山路30号
時間: 10:30~14:30、16:30~20:30
西泠印社
孤山の西側に西泠橋が架っているため、この辺は昔から “ 西泠 ” と呼ばれていたそうです。この地には、すでに清代の頃から優れた篆刻家が集まり、後の1904年にこの 「西泠印社」 という金石篆刻の学術結社が出来ました。中には篆刻専門の博物館 「中国印学博物館」 などがあるんですが、緑に包まれ避暑と休憩ができてしまうスポットでもあるんです。
住所: 孤山路沿い、楼外楼より少し西手にある
時間: 9:00~16:30
中国印学博物館を抜けると、ちょうど中山公園の北側に出てきます。ここから先は、中山公園(孤山)の景色を楽しみながらのんびり湖の脇を歩いていきましょう。天気がよく、結婚写真撮影をする中国人の姿も何組か見かけました。こんな自然美の美しいところで撮れるなんて、幸せモノだな~!
ここからずっと 「白堤」 を目指して歩くのですが、途中に史跡があったりで15分ほどは歩きました。写真の遠くに見える橋のような部分が白堤です。遠くからも多くの凧が上がっているのが見えますね。白堤まで来ると、かなりの観光客で賑わいます。
このエリアには西湖十景の1つ 「平湖秋月」 があるのですが、唐代にはすでにここから湖や月を楽しむ建物として出来ていた場所なんだそう。杭州の月見スポットの1つでもあり、満月を眺めると湖面にも月が映りこみ、それは素晴らしい景色が広がるんだそうです。
昼間に来ると、西湖の景色は楽しめますが感動はいまひとつ。ここも満月の夜に訪れることが出来たら、それはそれは稀有な体験になるんだろうなと思いました。
白堤を北に向かって歩くと、左手に塔のようなものが山から突き出ているのが見えます。「あぁ、これが西湖新十景色の “ 宝石流霞 ” なんだろう」 と思いながら、先へ進みます。正直言うと、ラストに至り少々疲れが出てきました。
午後14時45分/陸地に戻って終了です
やっと断橋 (西湖十景の “ 断橋残雪 ” でも有名ですね) を渡り、湖畔の “ 北山路 ”に出た着ました! ようやく陸地に戻ってきたわけです! やったー、ゴール!朝9時半に出発し、ここに着いたのはもう午後3時前。途中に昼食で1時間くらいは休憩しましたが、軽く半日ツアーというところです。最後は少々疲れましたが、天気の良い日だったので全体的にはとてもリフレッシュできる西湖周遊になりましたよ。
杭州を旅される皆さんも、お天気の良い日を狙って西湖周遊にぜひ出かけてみましょう!ナビの経験から見た簡単な注意事項は次の通り。
1. 湖畔の日差しはきついので、できれば帽子をかぶって行きましょう。
2. 途中の売店は何でも割高なので、飲み物などあらかじめ持参すると便利。
3. 公衆トイレ用に、ティッシュを忘れずに。
ナビはうっかりしていたので、肌や髪の毛が少し日焼けしてしまいました。皆さんもちょっとしたことに気をつけて、杭州ならではの観光を楽しんできてくださいね。