古い造船所を隈研吾がリノベーション! アート施設と演劇シアターが入る大型複合スペース。
こんにちは、上海ナビです。
古い民家やアパートはもちろん、工場、屠殺場、格納庫などさまざまな建物をリノベーションした施設がある上海。老朽化などの理由で、古い大型建造物が取り壊されることが多い日本に比べ、上海にはリノベーションされながらずっと残っている建物がたくさんあります。今回ご紹介する「船厰1862」もその一つ。なんと、造船所をリノベーションした施設なのだそう。早速見に行ってみることにしました!
※施設名が「1862時尚芸術中心」に変わりました。記事、写真は旧名時のものです(2023年4月追記)。
「船厰1862」へ行こう!
「船厰1862」があるのは、浦東の黄浦江沿いの北東側。最寄駅は地下鉄4号線「浦東大道」駅です。駅からの行き方はこんな感じ。
※2018年現在、地下鉄14号線の乗り入れ工事が行われています。工事終了後は最寄り出口や周辺の景観が変わる可能性がありますのでご注意ください。
このルートで行くと建物の裏側に着くので、表側にぐるっとまわります。
到着するのは裏側
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ぐるりと半周すると入り口があります
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「船厰1862」とは?1862年にイギリスの英聯船厰と招商局造船厰という造船会社が建てた造船所をベースにした複合アートセンターです。この建物、戦時中に軍用の造船所になったり、貨物や客船の造船所に変わったりと経営者、名前を何度か変え、1972年に一度建て替えられた後、2005年まで貨物船や客船の製造、修理などを行う現役の造船工場として稼働していたそう。
中国で大人気の建築家です
リノベーション時のデザインを手がけたのは、「新国立競技場」「歌舞伎座」など、日本を代表する建物を数多く手がけている日本人建築家・隈研吾。錆びた鉄骨やコンクリートをそのまま生かし、窓や劇場ホールからは黄浦江の風景を見渡せるように設計したのだそう。建築鑑賞が好きな方はもちろん、廃墟好きの心もくすぐる建物になっています。
館内を探検〜♪
入り口を入ったところ
それでは館内を見ていきましょう。アート施設部分の入場は基本的に無料(展示により変わります)。大型船の工場だったことがわかるダイナミックな空間が迎えてくれます。
エスカレーターが設置されています
1〜2階にこんな展示スペースが入っています。
※展示物は企画展によって異なります。写真は2018年6月現在開催中の馬興文展のものです。
窓からの風景です
3階はナビが訪れた時点ではまだ工事中でした。窓からの景色が最高なので、カフェやレストランができたらいいな。
建物の外側では不定期でこんなパフォーマンスやイベントを開催していることも。お天気のいい土日を狙ってみてください。
シアター「時尚芸術中心」
建物の東側がシアター
館内には演劇をメインに上演するシアターがあります。ここへの入場は公演チケットが必要になります。
キャパは約1,000人
工場の巨大空間に座席、ステージをはめ込んだようなデザインが斬新でおしゃれ。こんなホール、初めてです。
スライドして開く椅子。座り心地抜群
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両脇の頭上に錆びた巨大パイプが
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今回ナビは無料見学会に参加し、バックヤードまで見せてもらったのですが、いちばんびっくりしたのがステージの奥がベランダになっていること。客席から見ると、奥が屋外なんです(もちろん扉も開き、外の空気がホール内に入ります)。川沿いに建設中の新しい街の風景を、そのままステージの背景として使うことも可能?
一階にはチケットブースが。ナビが訪れた6月は、向こう3ヶ月くらいまでの公演が発売中でした。中国国内の劇団や子供向けの演劇などがメイン。そのうち日本の劇団や俳優さんの舞台が来ればいいな。
周辺情報
「船厰1862」の北側は、黄浦江沿いに延びる散策道「濱江大道」です。ここをずーっと西へと歩くと陸家嘴に着くので、散歩がてら(徒歩20〜30分)歩くのもお勧め。
南側は現在「GALA AVENUE」という商業街を建設中(2018年6月現在)。ここがオープンしたらもっと賑わうのかも。周辺にはおしゃれなマンションやオフィスビルも多数建設中です。
☆番外
記事冒頭で書いた、上海市内のそのほかの大型建築系リノベーションスポットはこちら。古い建物、建築家の仕事に興味のある方はここも合わせてどうぞ。
いかがでしたか? アート、建築、廃墟など、全部に興味があるナビにとってはとても見応えのある施設でした。あとは、周辺か館内に食事やお茶ができるスペースのオープンを待つのみ。ぜひ皆さんも、観光地からちょっと離れた場所へ建築鑑賞散歩に出かけてみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。