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素朴な風景と悠久の歴史が隠された知る人ぞ知る水郷。上海からローカルバスで出かけてみよう。

こんにちは、上海ナビです。
上海近郊の水郷で旅行者に人気の場所といえば、周荘、西塘、朱家角、烏鎮でしょうか。ツアーを利用して行く予定という人も多いハズ。どれも初上海ならぜひ訪れていただきたい、昔ながらの暮らしを見られる郊外スポットです。一方、今回ご紹介する「甪直」はやや玄人向けの水郷。旅慣れた方にのみお勧めできる知る人ぞ知るスポットです。「名前は知ってるけど、行ったことはない」という中国通もたくさんいるはず。早速出かけてみましょう〜。

「甪直」へ行こう!

「甪直」は蘇州市呉中区に位置します。位置的には上海よりの蘇州で、有名な水郷「周荘」とは直線距離で約15km離れています。行き方としては、「上海旅遊集散中心」からの往復バスツアーが上海人の間でもポピュラー(99元 ※2014年9月現在。時刻表、予約などは上海旅遊集散中心へ直接お問い合わせを)。「中国語もできないし、現地の混載ツアーはちょっと……」という方は、チャーター車でどうぞ。市内から約1時間半で行けます。
ローカルなバスターミナルです

ローカルなバスターミナルです

が、今回ナビはあえて旅慣れた方向けの行き方をご紹介したいと思います。ということで、出発地点は市内で唯一「甪直」行きのローカルバスが出ている「上海中山客運站」。旅行者が利用するターミナルではないので、平日の「甪直」行きバスはガラガラ。予約不要です。運賃は片道27元でした(往復券は購入できません)。安い分、エアコンなし、高速道路不使用です(昔ながらの中国のバス旅行を楽しめます!)。「甪直」までは約2時間かかりました。
※最新の運賃、時刻表などは「上海中山客運站」のスポット情報内にリンクした公式サイトでご確認ください。土日祝日は混み合います。国慶節などの大型連休は、運賃が3割増となります。
時刻表です。甪直行きは1日4本

時刻表です。甪直行きは1日4本

切符です。復路は現地で買います

切符です。復路は現地で買います

待合室

待合室

こんなバスです

こんなバスです

車内はこんな感じ

車内はこんな感じ

「甪直」に到着〜。バスターミナルのボロさ、寂れ具合が旅情を誘います……。きれいに整備された周荘などに比べて別世界。まずはここで復路のバスの切符を買っておきましょう。最終バスは16時です。それを逃すとほかに足はない田舎です……。タクシーは走っていませんでした。
ここに到着

ここに到着

ターミナルの建物です

ターミナルの建物です

時刻表です。左が甪直発の時刻

時刻表です。左が甪直発の時刻

切符売場。なぜか細い窓

切符売場。なぜか細い窓

行きの切符と違うのがちょっと不安(大丈夫でしたが)。必ず到着後すぐに復路の切符を買っておきましょう

行きの切符と違うのがちょっと不安(大丈夫でしたが)。必ず到着後すぐに復路の切符を買っておきましょう

バスターミナルから「甪直」までの道順です。案内板はありませんでした。
①バスターミナルの向かい側にある

①バスターミナルの向かい側にある

②達聖路を左に進みます

②達聖路を左に進みます

③突き当たりまで歩くと、

③突き当たりまで歩くと、

④水郷っぽい感じになってきます。ここを右折

④水郷っぽい感じになってきます。ここを右折

⑤右手に整備中の駐車場が(2014年現在、工事中の場所が目立ちます)

⑤右手に整備中の駐車場が(2014年現在、工事中の場所が目立ちます)

⑥左手の橋を渡ると水郷に入ります。門などはありません

⑥左手の橋を渡ると水郷に入ります。門などはありません

歴史ある水郷を散策しよう

水郷内の案内板

水郷内の案内板

「甪直」はなんと2500年もの歴史がある村です。唐代から伝わる文物も多く、宋〜清代に建設された古い石橋、民家などもそのままの状態で残っています。見どころは運河に沿って十字型に広がっていて、南西側の入り口には村の守り神「甪端」の像が。入村料はありませんが、お寺や古民家などのスポットを見学するには78元の共通券が必要です(各スポットの入り口で販売。価格は2014年現在のものです)。
一角の獅子「甪端」が守り神

一角の獅子「甪端」が守り神

各見学スポットの入り口でチケットを買います

各見学スポットの入り口でチケットを買います

78元の共通チケット。一ヵ所だけ見学したい場合もこの券を買うことになります

78元の共通チケット。一ヵ所だけ見学したい場合もこの券を買うことになります

決まった順路などはないので、気ままにぶらぶら散策するのがお勧め。見どころをまとめてみました。

風情たっぷりの街並

建築物や史跡に特別興味がなければ、チケットを買わずに街をそぞろ歩くだけで充分楽しめるのが「甪直」。こんな風景に出会えます。
廊棚のある路地。運河からの物資を雨に濡れないよう納品するための造り。江南の水郷ならではの建築です

廊棚のある路地。運河からの物資を雨に濡れないよう納品するための造り。江南の水郷ならではの建築です

静かで風情たっぷりの風景が続きます。行くなら平日に! 静かで風情たっぷりの風景が続きます。行くなら平日に! 静かで風情たっぷりの風景が続きます。行くなら平日に!

静かで風情たっぷりの風景が続きます。行くなら平日に!

古い漆喰の壁

古い漆喰の壁

周荘や西塘などのメジャーな水郷は、古い佇まいでも看板を新しくしていたり、壁を塗り直したりしている民家やお店が多いのですが、「甪直」は古いまま! 自宅をそのまま骨董品店にしているようなおじさんも多く、思わず見入ってしまいます。
豚もも屋さん

豚もも屋さん

工芸品店

工芸品店

真珠と蜂蜜のお店

真珠と蜂蜜のお店

手描き看板の漬け物店

手描き看板の漬け物店

骨董屋さん

骨董屋さん

骨董屋さん

骨董屋さん

生活感もたっぷり。水郷に暮らす人たち、絵になります。
麺が干してありました

麺が干してありました

犬

ニワトリ

ニワトリ

運河をぐるっとまわるなら船で。ルートは3種類で、6人乗り90元(値段は一艘単位です)。

水郷内の見どころはここ!

共通券を購入した方は園内の史跡スポットへ。ナビのお勧めはこちらです。
<保聖寺>
「甪直」を代表するスポットです。約1500年の歴史があるお寺で、唐代の塑聖と呼ばれた仏師・楊恵之が彫った羅漢像は国宝級の文物だそう。ほか、銅鏡、古い礎、鐘など貴重な品々が展示されています。羅漢像以外に仏像がないのは、戦乱や文革時などに破壊されてしまったからだそう。
境内には貴重な文物が多数。仏像はありません 境内には貴重な文物が多数。仏像はありません 境内には貴重な文物が多数。仏像はありません

境内には貴重な文物が多数。仏像はありません

<万盛米行>
民国時代に栄えた米問屋を農具博物館にしたものです。船で新米をここまで運び、貯蔵していたそう。入り口前には港だった名残が。
古民具や当時の農業の様子が展示されています 古民具や当時の農業の様子が展示されています 古民具や当時の農業の様子が展示されています

古民具や当時の農業の様子が展示されています

<蕭宅>
「甪直」ゆかりの有名人には、唐代の詩人・陸亀豪や羅穏などがいますが、最近の有名人ではベルリン国際映画祭で最優秀主演女優賞の受賞歴がある大女優、ジョセフィーン・シャオ(蕭芳芳)がいます。こちらは彼女の記念館も兼ねた古民家。保存状態のよい清代の邸宅だそう。
清代に建てられた邸宅です 清代に建てられた邸宅です

清代に建てられた邸宅です

<江南文化園>
水郷の東側に新しく作られた公園(こちらは入場無料)。新しいので味わいはありませんが、地元の人の憩いの場になっているよう。この日は楽器や歌の練習をする人たちに遭遇しました。
新しくできた公園です 新しくできた公園です 新しくできた公園です

新しくできた公園です

そのほか、水郷服飾館、歴史文物館、沈宅などの見どころがあります。

お土産&グルメ

「甪直」らしいお土産といえば甫里草靴。「甪直」がかつて甫里と呼ばれていたころからの名産だそう。穿く用ではなく、飾りだそうです。
甫里草靴。どこの土産物店にもありました 甫里草靴。どこの土産物店にもありました

甫里草靴。どこの土産物店にもありました

ほか、こんなお土産が売られていました。
扇子

扇子

淡水パール

淡水パール

甪端の置物

甪端の置物

牛の角のくし

牛の角のくし

ひょうたん

ひょうたん

おめん

おめん

水郷各地に最近増えている新しいお店や、変身写真を撮ってくれるお店もありました。
地元の若い観光客にはこんなお店が人気 地元の若い観光客にはこんなお店が人気 地元の若い観光客にはこんなお店が人気

地元の若い観光客にはこんなお店が人気

食べ物の名物は周辺のほかの水郷とほぼ同じかも。食堂や食べ歩き用の飲食店は少ない印象です。
豚ももの煮込み

豚ももの煮込み

袜底酥。素朴な焼き菓子

袜底酥。素朴な焼き菓子

ガチョウの卵

ガチョウの卵

蟹

漬け物

漬け物

お酒

お酒

菱の実

菱の実

点心

点心

こんな飲食店がちょこっとあるのみ

こんな飲食店がちょこっとあるのみ

帰路について

バスの出発前に先ほどのバスターミナルに戻ります。戻るルートで地下鉄11号線「安亭」駅の前を通るため、ここで降りる人もいました。ナビも、行きのバスの乗車時間がすごく長く感じて、「またあのルートで帰るのか」と思うとどっと疲れを感じてしまい、「安亭」駅で降りることに。運転手にひと言伝えれば降ろしてもらえます。
※そのまま乗って帰る場合は、出発地点の「上海中山客運站」が終点になります。

いかがでしたか? 観光客が少ない場所って、旅慣れた方には魅力的に映るのではないでしょうか。ツアーもあまりなく、ルートもやや難しいため、今回の旅でも外国人観光客には一度も遭遇しませんでした。でも2014年現在、「甪直」は世界遺産の登録を目指しているとのこと。周辺の工事や整備も始まっているようです。ということは、行くべき時期はここ1〜2年の間? ぜひ皆さんも、この素朴な風景を現地で目に焼き付けてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。

記事登録日:2014-09-25

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関連タグ: 水郷 世界遺産

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2014-09-25

利用日
女性 男性

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