明代の史跡や世界文化遺産をじっくり散策しよう! 江蘇省きっての古都の魅力をナビがじっくりご紹介♪
こんにちは、上海ナビです。
上海から日帰り圏内で、日本での知名度がもっとも高い街といえば南京なのではないでしょうか。三国志の時代から栄え、14世紀ごろにはなんと世界最大の都市だったといわれるこの街は、どこに行っても史跡がいっぱい。山や湖などの自然と、オシャレな国際都市が入り交じる見どころ満載の都市です。上海からは高速鉄道でわずか1時間10分で行けるんですよ。どんな街なのか、早速ご紹介して行きたいと思います。
南京基礎知識
南京駅。
<位置と面積>南京市があるのは上海のお隣の省・江蘇省です。蘇州、無錫よりさらに西に位置。上海から出ている高速鉄道「沪寧高鉄」の終点が南京駅です。総面積は6597㎢で、市の真ん中を雄大な長江(揚子江)が流れています。夏は非常に熱いため、中国三大火炉と呼ばれることも。真夏に行くのは避けましょう。
<人口と言語>南京市の総人口は約740万人。言語は呉方言の一種、南京語が話されています。蘇州語とよく似ていますが、ナビは南京の子が蘇州の子に南京語を教えているのを見たことが。きっとかなり違うんです。でも、一般的には普通話(北京語)で充分OK。英語や日本語の案内板も他の都市に比べて多いような気がします。2014年にはユースオリンピックが開催される予定(2012年3月現在)。
史跡と街が融合しています。
<歴史>南京の歴史は三国志の時代から始まります。北京、西安、洛陽に並ぶ中国4大古都の一つとして栄え、紫金山には明代の皇帝の陵墓が築かれています。三国志ファンは必見の場所なんですよ。近代には、孫文のお墓(中山陵)が築かれました。また、戦時中は旧日本軍による南京大虐殺があった場所として世界的に知られています。
塩水鴨。
<名物&お土産>南京名物といえば鴨料理。北京ダックのようにローストしたものもありますが、塩蒸しにした「塩水鴨」や、鴨の内臓入り春雨スープ「金陵鴨血湯」がポピュラーです。お土産で有名なのは「雨花石」。長江の上流から流れてくる過程でなめらかに削られた石のことで、印鑑や名前入りペンダントなどさまざまなお土産が売られています。近代の政治の拠点だったということもあり、政治家グッズもいろいろ見つかりますよ。
南京へ行こう!
観光のベストシーズンは春と秋。観光スポットは史跡や湖畔、街並散策など、外を歩いて移動する場所が多いため、暑すぎたり寒すぎる季節は体力勝負になります。ただし、労働節、国慶節などの連休は非常に混み合うのでできれば避けて。
高速鉄道が便利。
上海から南京へ行くには、上海駅や上海虹橋駅から出ている高速鉄道(高鉄、G列車、新型新幹線)が便利。片道1時間半ほどで到着します。「中国の列車旅が楽しみたい」「安さ優先!」という方は、上海駅から出ている在来線や動車組でも行くことができます。また、各駅付近の長距離バスターミナルからは南京行きの高速バスも運行しています。
南京には地下鉄が2路線開通しています(2012年3月現在)。今後も本数は増えていくよう。でも、2路線でも主要繁華街や観光スポットには地下鉄で行けてしまうのが便利。乗りこなす自信がないという方は上海からのツアーを利用してみて。
南京の街はこう楽しむ!
それでは早速、ナビオススメの観光地をご紹介したいと思います。数ある観光地から、1日〜2日の日程で行くならココ! というスポットをセレクトしてみました。
夫子廟上海でいえば豫園にあたる下町観光スポット。孔子を祀る「夫子廟」と、その周辺一帯の繁華街のことで、廟は合格祈願に訪れる若者でにぎわっています。周辺には食べ歩きやお土産探しができるお店もいっぱい。オープン100年以上を超える老舗も見かけます。地元の人いわく、来るなら夜がベスト。ライトアップされて、夕食やお酒を楽しむ人たちでにぎわうんです。
江南貢院。
このエリアには、中国最大の科挙試験場「江南貢院」がありました。役人を目指し、中国全土から秀才エリートたちが集まった場所で、今も難関大学を目指す学生たちがあやかろうと見学に訪れているようです。
明孝陵明朝を造り上げた朱元璋と皇后が眠る陵墓。世界文化遺産の一つです。棺や周辺エリアはまだ発掘されていないそうで、発掘の申請を出してはいるものの許可が下りていない状態なんだそう(2012年3月現在)。どんな歴史ミステリーが解明されるのか、ナビも気長に注目していきたい場所です。ユニークな動物の石像はもちろん当時作られたもの。周囲は梅の名所としても有名です。
この散策ストリートは秋の紅葉の時季がベストシーズン。
梅園もあります。見ごろは3月中旬。
|
|
博物館はまだ空っぽ。発掘を待っています。
|
中山陵日本人に馴染み深い中国の近代政治家といえば孫文。日本にも留学経験のある革命家です。彼のお墓があるのも南京なんですよ。明孝陵と同じ紫金山内にあり、392段の石段を登って見学します。夏場はかなり厳しい見学コースかも。中国では修学旅行で行く定番スポットらしく、いつ行っても学生の団体さんであふれています。
頂上からの眺め。
いつ行っても観光客がいっぱい。
|
|
孫文がここに眠っています。
|
中華門明代に築かれた城壁の一部。数々の戦乱をくぐり抜けてきた門が当時のまま残されています。城壁としての強度を保証するため、不良品対策として積まれているレンガ一つひとつに制作者の名前が刻まれているんですよ。しかも、中国全土、異なる年代のレンガが使われているため、刻まれている文字の書体がバラバラなのも興味深い点。生々しい歴史を間近で見ることができます。
600年以上前に築かれた城壁です。
|
|
レンガに刻まれた文字。
|
侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館南京大虐殺の記念館です。遺骨や元日本兵から寄贈された資料、パネルなどで旧日本軍が起こした惨劇を展示。ここを訪れたことがある日本人は、考え方の違いを問わずほぼみんな「一度見ておいたほうがいいかもね」という感想を持つようです。ニュースやネットで見聞きしたことに頼らず、一度自分の目で見て、自分がどう思うのかについてじっくり考えてみましょう。平和について改めて考えさせられるはずです。
玄武湖公園南京市内に広がる広大な湖・玄武湖に浮かぶ島を散策できる公園。明代に築かれた玄武門が公園の入り口になっています。昔はここで水軍の演習が行われていたそう。現在は南京市民の憩いの場として親しまれています。湖周辺には、インターコンチネンタルやウェスティンなどのラグジュアリーホテルが林立。滞在エリアとしても絶好の場所です。
いかがでしたか? 南京といえば日本人的にはどうしても暗いイメージがつきまとってしまいます。でも、何回も南京を訪れているナビのイメージは、フレンドリーで気前のいい、明るい人が多い街。人を見てその街が好きになることって旅先ではよくありますが、ナビにとって南京はその代表格。皆さんもぜひ地元の人とふれあってみてくださいね。
以上、上海ナビがお伝えしました。