しっとりした古鎮の風情を味わうならここ! 地酒や農村料理を楽しみながら散策してみよう。
こんにちは、上海ナビです。
上海旅行の日程にぜひ入れたいのが近郊に点在する水郷散策です。運河沿いに古民家が並ぶ風景や素朴な農村の料理は、上海市内では見られないもの、味わえないものばかり。今回ナビが訪れた「烏鎮」は、「周荘」「西塘」「朱家角」などに比べてややマイナーで遠い古鎮なのですが、マイカー所有のリッチな上海人には大人気の場所なのだそう。ということで今回は、「烏鎮」のなかでもより風情が味わえる「東柵」を中心に出かけてみることにしました!
「烏鎮」へ行こう!
近郊旅行ならこのバスターミナルへ
ナビは郊外行きのバスが発着するターミナル「上海旅遊集散中心」から行くことにしました。乗車時間は片道2時間半です。ただし、土日祝日は事前予約が必要(それ以外でも旅行シーズンは当日券がないことがあります)。予約には中国語力が必要。また、当日の乗務員の説明(トイレ休憩時間、復路の出発地点などの重要注意事項)も中国語のみとなります。それと料金。「東柵(※後述)」の入場料込みで往復160元なのですが、「西柵」にも入りたい場合は別途120元を現地で支払うことになります。「東柵」「西柵」の通しチケットを現地で買うと150元のため、どちらにも入場したい方はほかのアクセス方法で向かったほうがお得です。※2015年現在の値段事情です。
※「上海旅遊集散中心」への行き方、問い合わせ、予約番号などは以下記事をご覧下さい。
上海南駅に隣接する長距離バスターミナルから行く方法も。より自由に、観光客っぽくなく旅したい方にはお勧めです。運賃は片道49元。先ほどご紹介したように、このバスで行って「東柵」だけ入場する場合は割高になりますが、「西柵」との通しチケットを現地で買う場合はお得になります。
鉄道派は「桐郷」駅経由で
行き方はやや複雑ですが、上海から「桐郷」駅まで高速鉄道で行く方法もあります。ここから烏鎮行きのバス「K282」が出ています。このバスの最終は夜20時台でほかの足より遅いので、水郷の夜景を見たい方にはこちらがお勧め。こちらも烏鎮現地で入場券を買う形になります。
「どの方法も、自分で手配するなんて絶対無理!」という方はツアーで気軽に出かけましょう〜。
「烏鎮」はこんな水郷です
上海近郊の水郷には何ヵ所か行ったことがあるナビですが、「烏鎮」はやや特殊な水郷だと思いました。行く前にぜひ以下を知っておいて下さい。
古い街並が保存されています
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烏鎮の歴史烏鎮の街が形成されたのは約1300年前。江南六大古鎮の一つで、上海近郊の水郷らしい運河と古民家が並ぶ素朴な景観を楽しむことができます。中国を代表する近代の作家・茅盾の故郷としても有名。名物は、上海近郊のほかの都市と同じ豚肉や淡水魚料理、シルク製品のほかに、烏酒、三白酒などの地酒があります。藍染め製品も昔から作られていたそうです。
二つの観光地を無料シャトルバスが結んでいます
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2ヵ所に分かれた水郷「烏鎮」は、「東柵」と「西柵」に分かれています。二つのエリアは約2km離れていて、シャトルバスで移動するのが一般的。入場料も別になっていて、「東柵」は100元、「西柵」は120元、2ヵ所の通し券は150元です。今回ナビが利用した「上海旅遊集散中心」の往復バスは「東柵」の入場券だけ含まれていたので、「新たに、別途120元〜!?」と思ってしまい、今回は予算オーバー。「西柵」には入場できませんでした。
2ヵ所の違いですが、「東柵」は昔ながらの街並や資料館が点在する定番エリア、「西柵」は2007年に新たに整備されたリゾート水郷です。主要な見どころは「東柵」に集まっているので、昼間の一日観光なら「東柵」だけでOK(ナビもそこだけで時間を使ってしまい、一日では西柵へ行けませんでした)。「西柵」は夕食、夜景、宿泊がメインの場所で、両方行くなら最低1泊は必要です。
日帰りなら、古い街並を散策できる「東柵」へ
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泊まりの場合は新設のレジャー水郷「西柵」へ
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全体的にきれいに整備されています
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生活感は薄めナビが水郷で見たいものといえば、その土地の人たちの生活感です。昼寝する住人、子どもやおばあちゃんが犬や猫と暮らす様子、かごに入れた野菜や魚などを路上で売る人などなど。でも、烏鎮の敷地内は観光地としてきっちり整備されているようで、こういった風景は見かけませんでした。純粋に当時の家屋や歴史、街の構造、郷土文化などを知りたい方向けの場所かも。犬猫が苦手な方にもお勧めです。
犬猫、地元の子ども、お年寄りとの交流や生活感を感じたいならこの水郷へ!
「烏鎮(東柵)」を歩こう!
それでは水郷内を歩いてみましょう。高速鉄道やローカルバスで来た方は入場券の購入が必要です。また、ナビが訪れた2015年8月現在も工事中の場所が多いためご注意を。水郷の変化も早いのです……。
チケット売場。ほとんどがツアーでやってくる観光客なので空いています
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東柵入り口
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敷地内に設置されている案内板
今回ナビが歩いた東柵は横に細長い街で、長さは約1.5km。そんなに広くはないはずなのですが、お店や資料館を見たり、写真を撮ったり、昼食を食べたりしているとあっと言う間に帰りのバスの時間になってしまいました。
まずは水郷内の風景から。歩きやすく整備されていて緑が多く、公園のようにすっきり管理された場所もあります。
こんな風景が広がります
資料館が隠れています。見落とし注意
資料館が点在する運河の北側のストリートです。入場前、バスの乗務員から諸注意として聞いたのですが、注意したいのが意外な場所に水郷出口があること。一度出ると再入場できない上に、入った場所、駐車場などに戻るのがかなり大変なのだとか。散策中、出口らしきものがあったら必ず引き返し、帰りは入場した正門脇の出口から出て下さい。
水郷内にはこんな資料館があります。チケット提示が必要なものと無料で入れる場所があります。
※各資料館の入場料は、入村チケットに含まれています。
江南百床館明〜清代のベッドが展示されています。「紅木」と呼ばれる高級木材を使ってできた逸品や、細かな木彫りの装飾が入ったものも。ベッドを工芸品として展示するのは中国ならではの文化かも。
烏鎮民俗風情館清代ごろの結婚式の様子や民家の内部の様子を蝋人形で再現した展示館です。当時の資産家の暮らしを垣間みることができますよ。
公生糟坊烏鎮名物の地酒「三白酒」と「烏酒」を作っている醸造所です。館内では無料で「三白酒」の試飲もできるのですが、アルコール度数55度! ナビはもちろん挑戦しましたが、お酒が弱い方はご注意を。
宏源泰染坊もう一つの烏鎮の名産、藍染め製品を展示している資料館です。庭に藍染めの布が干してある景観が目印。製品の販売もしています。
茅盾紀念館先ほどご紹介した、烏鎮出身の作家・茅盾の記念館と旧居です。生涯や作品を紹介するパネルや書の作品が展示されていました。
ほか、江南木彫陳列館(木彫り家具の展示館)、余榴梁銭幣館(古銭の展示館)、晴耕雨読(古書の資料館)なども。興味のある資料館に入ってみてください。
もちろん、資料館には入らず路地を気ままに歩くのもお勧めです。古い路地の奥へどんどん入ってみて。
時間があれば遊覧船にも乗ってみましょう。乗り場は、水郷内に3ヵ所あり、料金は30元/名〜。
食事とお土産
資料館が並ぶ場所と土産物店がある場所が分かれています
正面入り口から入って左手へ進むと土産物街、飲食店街があります。ここまでの写真を見て、「烏鎮ってお店が少ない?」と思った方もいるかもですが、古民家群のほうに店舗を作らないよう管理されている模様。バスの乗務員曰く、「特別おいしい人気店? みんな同じくらいですかね〜。がっつり食べるというより、名物を味見する感じがお勧めです」とのこと。昼食のお店は雰囲気と店構えで選べばよいようです。
夏に行くなら千島湖ビール
ナビが食べたのはこちら。8月のいちばん暑い時期だったので、浙江省の「千島湖ビール」も飲みました♪
笹で巻いた豚の角煮「粽葉扎肉」
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豚皮、キクラゲ、魚肉ボールを炒めた「烏鎮三鮮」
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薄焼き卵を皮にした餃子「家郷蛋餃」
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シイタケとチンゲンサイ炒め「香菇青菜」
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作りながら売っている人もいます
お土産はこんな感じ。こちらもバスの乗務員(なぜか全然商売っ気ナシ)曰く、「雑貨や小物は豫園商城でも売っているものばかり。むしろ上海市内のほうが安いかもね」とのことだったので、市内では見かけないものをナビなりに探してみました。
烏鎮を楽しむコツ
来てみて思ったこと、気をつけたいことをまとめてみました。
入り口が大混雑!
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混んでる!「周荘や朱家角ほど有名じゃないし、ほかの水郷に比べて上海から遠いし」と思って、静かな水郷を想像して来たナビ。が、実際は江蘇省、浙江省、安徽省方面からの国内旅行者に大人気の水郷でした! 観光バスでやってくる人も多く、昼前から午後の時間帯はどこも人、人、人! 土日や祝祭日は必ず避けて日程を決めましょう。雨の日を狙って行くのも風情を楽しめそうです。
夏は日傘も必須
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暑さ、寒さ対策をしっかりと上海近郊のほかの水郷同様、エアコンの効いた場所はほぼありません。上海より内陸に位置するため、暑さ寒さは上海以上です。夏は帽子や日焼け止めを、冬はたっぷり着込んでお出かけ下さい。また、水郷内はすべて徒歩での移動になるので、穿き慣れた靴で、荷物は少なめにして(手ぶらがベスト)出かけましょう。
こんな感じでトイレがあります
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困ったときにトイレは水郷内の各所にあるので安心(紙がないことがあるので持参を)。また、今回ナビが利用したようなバスは帰りの出発時間厳守です。容赦なく置いて行かれてしまうので、万が一帰る足に困った場合は地元タクシー(初乗り8元)で最寄りの高速鉄道の駅「桐郷」へ。日程に余裕がある場合は、エリア内に多数ある民宿へ(1泊80元前後。要パスポート)。
いかがでしたか? 今回は残念ながら西柵へは行けなかったのですが、東柵だけでも時間がまったく足りないほど充実の時間が過ごせたナビ。全体の客層を見た感じですが、東柵は中国らしい風景や文化を感じたいナビたち外国人向け、西柵は新しさとリゾート感を求める中国人向けという気がします。といいつつ西柵も気になるナビ。行った方はぜひ西柵情報をお寄せ下さい〜。
以上、上海ナビがお伝えしました。