上海から高速鉄道で30分! 世界遺産の庭園や史跡が点在するたおやかな古都を散策しよう。
こんにちは、上海ナビです。
上海からの小旅行先としてもっとも人気のある街といえば蘇州市。2010年に高速鉄道が開通してからは片道30分ほどで気軽に行けるようになり、ますます多くの旅行者を引きつけているようです。世界遺産の庭園や麺料理、シルク製品も有名ですよね。映画や小説の舞台になっていることでこの地に興味を持った方もいるかもしれません。でも、具体的に蘇州の魅力ってどんなところにあるのでしょうか。今回は、そんな魅力あふれる古都・蘇州をナビ流にご紹介したいと思います。
蘇州基礎知識
<位置と面積>蘇州市は、上海の西に位置する江蘇省内にあります。面積は約8500㎢で(広島県とほぼ同じ)、主な観光地は市中心にまとまって点在しています。西郊外と東郊外には外資系企業が集まる開発区も。西側の太湖周辺、東側の周荘、同里周辺まで観光するとなると2〜3日は必要かもしれません。広い街なのです。
<人口と言語>蘇州市の総人口は約1300万人。言語は蘇州語を話します。上海語と似ていますが、よく聴き取ってみるとまったく発音が違うんですよ。日本人のナビの感覚ではありますが、語尾に「勒(Lei)」をつけると蘇州語っぽくなるな〜と思います。
<歴史>蘇州の歴史は春秋時代(紀元前500年前後〜)から始まります。呉の都として栄えた当時の史跡も点在。明代(1368年)からは数多くの庭園が造られ始めました。古くても1800年代という歴史の浅い上海の街並や建物。「物足りない!」という歴史ファンの方は、蘇州までぜひ足をのばしてみて下さい。
<名産・名物>
ほかの上海近郊都市と同じように、まず有名なのはシルク製品。シルク糸を使った繊細な刺繍も蘇州ならではです。ほか、太湖産の淡水真珠、蘇州が産地の緑茶・碧螺春が定番。
食べ物は、ケツギョの甘酢揚げ「松鼠桂魚」が必食です。ほかに太湖三白(白魚、銀魚、白蝦)を始めとする淡水魚料理、上海市内でも人気の蘇州麺も。
蘇州へ行こう!
住人気分で身軽に歩こう
蘇州観光のベストシーズンは春と秋。観光スポットには庭園や街並散策など、外を歩いて移動する場所が多いため、暑すぎたり寒すぎる季節は体力勝負になります。また、蘇州の庭園ではゴツゴツした岩の上を歩くことも多いので、ヒールの靴やサンダルはきついかも。荷物も少なめにして出かけましょう。
拠点は蘇州駅
上海から蘇州へ行くには高速鉄道が便利。片道30分ほどで到着します。下車駅は「蘇州駅」「蘇州園区駅」が便利。
ほかに鈍行の在来線、高速バス、チャーター車、日帰りツアーなどの選択肢も。目的や予算に合わせて選んでみて下さい。
2015年夏現在の路線図。今後も路線は増えます
<蘇州の市内交通>2015年夏現在、蘇州市内には地下鉄が2路線走っています。高速鉄道の駅から主要観光地へ行くのも地下鉄を使えば安くて便利♪ 乗り方、切符の買い方は基本的に上海の地下鉄と同じです。今後も路線は増えるようで、市内ではあちこちで地下鉄関連の工事が行なわれていました。蘇州市内を自由にアクティブに動くなら、メインは地下鉄での移動にしましょう!
地下鉄を乗りこなせれば路線バスは使う機会がないかもしれません。タクシーも、蘇州では移動手段としてあまり旅行者的にメリットを感じません。空車がとにかく少なく、市街地から駅へ戻るときなどにタクシーをあてにしていると焦ることになります! ナビの主観ですが、タクシーメインの蘇州旅行にするなら、チャーター車や専用車ツアーを利用した方が便利なのではないでしょうか。
一方、意外に使えるのが人力車! 数年前までは微妙にぼったくる運転手もいましたが、最近は運営会社が統一されて良心的になりました。1〜2kmの、歩くにはちょっと遠い距離を頼むのがお勧め。その距離で15〜20元とタクシーより高めですが、風を感じながらのんびり蘇州の街を移動できます。どの観光地でも空車が見つかるので便利。地元の人も利用しているようです。
観光地ですぐ捕まえられます
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ナビも乗ってみました。快適♪
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蘇州の街はこう楽しむ!
蘇州の歩き方は目的や好みでいろいろ変わってきます。3パターンの楽しみ方とお勧めスポットをまとめてみました!
<王道観光地めぐり>蘇州といえば世界遺産の庭園群。中国国内からの観光客も欧米からの旅行者も、もちろん日本人旅行者も、まず目指すのは有名な庭園と史跡群です。ただし全部まわるとかなりの時間と体力が必要なので、まずは「拙政園」「寒山寺」「虎丘」を制覇しましょう。その合間に自分の興味がある場所を追加してまわるのが通。地図を見つつ計画をたててみて。
まわるならこんな記事も参考にしてみてください。
王道を無駄なくまわるなら日帰りツアーに参加するのがベスト。
古い路地にどんどん入ってみよう
<蘇州っ子気分で街歩き>「観光地めぐりよりも気ままな散歩が好み」という方は意外と多いですよね。運河のほとりや古い路地を迷いながら歩くのは蘇州の醍醐味。路地裏まで分け入ってみて初めて「蘇州を見てきた」と言えるのではないでしょうか。鉄板は「平江路」と「山塘街」。「結局観光地では?」という声もあるかもですが、この2ヵ所は一本それたところに味わい深い住宅街が隠れてるんです。探検してみて。
市街地のメインストリート「観前街」
ローカルなショップや土産物店を素見しながらそぞろ歩くなら「観前街」へ。一角にある道教寺院「玄妙観」とその周辺もディープな雰囲気です。
気ままな街歩きに欠かせないのが好きなお店で自由に好きなものを食べること。「観前街」周辺は蘇州有数の有名老舗蘇州料理店が密集しています。ほか、平江路にもナビお勧めの蘇州料理店が。散策ストリートを歩けばいろいろなお店が目に入るので、直感で選ぶのもいいかも!?
蘇州も大変化中!
<蘇州の今を視察>「観光目的じゃない」という出張者の方は、「ガイドブックに行き先が一切載ってない……」と悩んでいるのでは? 外資系企業のビルや工場が集まっているのは、西郊外の新区と東郊外の園区です。一見遠そうだけど、どちらも地下鉄1号線でつながっているのでアクセスは簡単です。「最新のものを見たい」という蘇州リピーターも、新しいエリアには興味があるはず!
地下鉄1号線「時代広場」駅周辺がきれい
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こんなスポットも
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シャングリラホテル蘇州
在住日本人が意外に多い蘇州。特に「シャングリラホテル蘇州」周辺は日本人ニーズに応えるお店が多いよう。歩けば2〜3組はおしゃべりしながら歩く在住日本人とすれ違います。
遠くに見えるズボンみたいなビルが「東方之門」
ピカピカですっきりした街並みを快適に散策できる園区エリアは、シンガポールが開発した新興地域。今後このエリアのランドマークになりそうな高層ビル「東方之門」もまもなくオープンとのこと(2015年夏現在)。「古い街並や史跡は見たいけど、泊まるのは最新ホテルがいい!」という方はこのエリアも要チェックです。
いかがでしたか? 蘇州に行ってみたいという方は、ぜひ上海で1〜2日過ごしてから出かけることをオススメします。大都会・上海のにぎやかさやスピード感に慣れてから蘇州に行くと、より時間の流れのゆったり感が味わえるはず。最新の開発区も、なんだか時間の流れが上海よりゆるい気がします。古代の文人や芸術家たちと心を通わせながら、のんびり古都を散策してみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。