開発の進む徐家匯に位置する時が止まったようなレストランで、おいしい上海料理を優雅に味わう。
こんにちは、上海ナビです。
上海に来てからずっとナビの気になっているレストランがありました。それが今日ご紹介する「上海老站」。「站」は駅という意味の中国語で、直訳すると旧上海駅とか、上海の古い駅とかいう意味になります。なぜ気になっていたかというと、お店のある徐家滙はものすごい勢いで開発が進んだ地域なのに、こちらのレストランとその正面に立つ天主教会だけがぽつんと時代に取り残されたかのように佇んでいたからです。レストランそのものが、アンティークコレクターだというオーナーの最大のコレクションでもあるとか。1921年に建てられた修道院を改装し、内装も凝りに凝った作りになっています。出される料理は伝統的な上海の味付け。中国の醤油をベースにして仕上げられた味付けは日本人好みでもあります。
近代的なビルが建ち並ぶ徐家滙の駅前。
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対照的に時代を感じさせる徐家滙天主教会。右側に見える屋上にお寺が載っているちょっと変わったビルは「西蔵大廈」。
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お店があるのは、地下鉄1号線「徐家匯」駅の9番出口を出たすぐ横です。2010年(予定)には地下鉄10号線も開通し、ますます賑やかになる予感がする徐家匯。でも、ここだけ時間が止まってしまったかのようです。
お店の隣は大型パソコンショップ「百脳滙」。徐家滙は日本の秋葉原のような場所。
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地下鉄1号線「徐家滙」駅の9番出口。ここを出てまっすぐ進みます。
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こだわりの店内
921年物の建物に合わせて、内装もインテリアもコレクターであるオーナーが腕によりをかけて集めた品々。店内の隅々まで細やかな気配りが垣間見えるのは、オーナーが女性だからかもしれません。彼女は、「母に若かりし頃を思い出しながら食事を楽しませてあげたい」という思いでこのレストランをオープンさせたそう。
さてここで、店名の「上海老站」の由来となったオーナーご自慢のコレクションをご紹介しましょう。
それがこちら、中庭に置かれた古い列車と客車です。西太后が使ったと言われる1899年のドイツ製客車と、宋慶齢(孫文夫人、中央人民政府委員会副主席)も使用したと言われる1919年のロシア製の客車が並んでいます。なんと中で食事をとることもできるんです!(要予約)
こだわりのお料理
今日は友人5人と一緒に訪れたナビ。ナプキンの置き方がちぐはぐなのはご愛敬(笑)。それでもとってもロマンチックなテーブルセッティングです。
お料理は20世紀初頭から上海人に愛され続けた醤油ベースの伝統の味付けを基本にしています。ゆっくりじっくり味わってみてください。
道酒(65元)
4種類あるこのお店オリジナルの黄酒です。日本で有名な紹興酒も黄酒の一種。酒飲み3人組が注文したのは本草黄酒という、漢方薬入りの黄酒です。飲み過ぎても体に良いとか(でもやっぱり、飲み過ぎには注意しましょう)。
特色素火鴨(18元)
湯葉をぐるぐる巻いて甘い醤油で味付けした料理です。歯ごたえと味付けで鴨肉を食べているかのような錯覚を起こす精進料理の一つ。味も食感も全く違いますが、日本のがんもどきと同じ発想の料理です。先に紹介した黄酒のお供にぴったりな酒の肴でした。
金牌川味臭豆腐(32元)
臭豆腐はその名のとおり、日本のくさやに似た香りのするお豆腐です。この強烈な香りに、食わず嫌いをする人も多いのですが、実際食べてみると香りはあまり気にならず香ばしいくらいの味わいで癖になります。こちらのレストランの臭豆腐は看板メニューで、四川風味の辛い味付け。これまた黄酒によく合います。但し、同じ食卓に載るのもいやだという方もいるくらいの強烈な香りなので、注文する前には同席の方に確認をとりましょう。
栗子滑鶏煲(45元)
「煲」は煮込み料理のこと。栗と骨付きぶつ切り鶏肉の煮込み料理です。少し弾力のある鶏肉と、甘い栗がとてもよく合います。ご飯ともお酒とも相性ばっちり。こちらのお料理も1年を通して楽しめますが、秋頃の栗の甘みは絶品なので、秋に上海にいらした際にはぜひ試してみてください!もちろん極上の栗を厳選して使っているので秋以外でも充分おいしいですよ。
マンゴーのクレープ包み(6元/個)
薄いクレープの生地にフワフワのクリームととろけるほど完熟したマンゴーが入っています。もう黄金の組み合わせですよね。一口サイズなので、おなかがいっぱいでも大丈夫!ぜひお試しあれ!
いかがでしたか?こちらのレストランでは元修道院だったこともありチャペルウェディングをすることもできるんだそう。ご自慢の料理に舌鼓を打ちながら、厳かな雰囲気の中でのウェディング。ロマンティックですよね。国宝級の車両を予約するもよし、みんなでわいわいでもロマンティックなデートでもぴったりな「上海老站」。あなたなりの楽しみ方を見つけてみてください。以上、上海ナビがお伝えしました。