杭州老舗のレストランと言えば、言わずもがなの店。杭州名物&看板料理の「こじき鶏」や「東坡肉」を食べてみよう!
こんにちは、ナビです。
杭州の旅で堪能したいものの1つが、中国八大料理の1つに数えられる浙江料理 (杭州、紹興、寧波の料理が系譜となるもの)。それを代表する杭州料理は、川の素材や鶏などを煮込んだり、蒸したり、揚げたりといった調理法が中心で、さっぱりした味が特徴なんだとか。「杭州と言えば東坡肉(ドンポーロウ=豚の角煮)」 のイメージが強かったナビには意外な事実です。
そこで今回は、杭州を代表するレストランとしてあまりにも有名すぎる 「楼外楼 (ロウワイロウ)」 へ、創業1848年の老舗の味を試しに行ってみたいと思います!
楼外楼があるのは西湖内の北側にある 「孤山」 と呼ばれる観光名所。西湖北湖畔の北山路とは白堤 (シャングリラホテル側からは西泠橋が近い) で繋がっています。お店はこの 「孤山」 の南湖畔 (孤山路) にあるんですが、湖畔沿いで西湖遊覧船の船着場を背にして、すぐ左手に見えるのは 「楼外楼」 の “ 東楼 ” 。よく写真で見るあの本館ではありません。
湖畔沿いをそのまま西向きに歩いていくと、楼外楼の屋形船も発見。西湖の上でお料理が楽しめるようですが、西湖遊覧+屋形船×楼外楼って、高級官僚の香り (?!)。それはさておき、その右手に人気の本館がジャーンと登場しました。古くは孫文や魯迅をはじめ、歴代の要人たちが訪れている建物は、さすが風格ありの佇まいです。
~ 少人数なら “ 東楼 ” もオススメです ~
ナビのように 「1人旅でも老舗の味を試したいが、本館で1人は気後れする」 という場合や、4人程度の旅で、よりカジュアルな気分で老舗の料理を楽しみたいという方たちには “ 東楼 ” の雰囲気の方がいいかもしれません。メニューはもちろん本館と同じです。
本日は朝から西湖遊覧船を楽しんだ足で来たので、ランチタイムのピークには少し早い11時過ぎにお店に到着。平日で11時半前ということもあってか、予約無しでもスムーズに席に通されましたが、休日のランチタイムなら予約がベスト。
東楼は1階建てで、全体的に伝統とモダンを融合させたカジュアルな雰囲気。本館と違い少人数向けだそうで、基本の4人席、6人用程度の円卓、そして8人位での利用がちょうど良さそうな個室が数室用意されています。
~さっそく自慢の杭州名物をいただきましょう ~
メニューでは、有名料理や比較的値段の張る料理の多くに写真が添えられているので、あまり悩まなくて済むという嬉しさ。また、各料理名は中国語/日本語/英語で表記されているので、中国語が分からなくてもオーダーに困ることはなさそうです。
当然ながら、名物料理を中心にオーダーしてみました!
宋嫂魚羹(魚入りの具だくさんスープ) /17元(1人前)
最初にいただくスープは、店員さんのオススメで決めてみました。中国三名魚の1つでもある桂魚(白身の淡水魚)に、中国ハム、シイタケ、ネギ、ショウガなどが加わり、ほどよい酸味とトロミがアペタイザーとしてもピッタリです。
東坡燜肉(ドンポーロウ)/13.5元(1人前)
皮が薄く柔らかい三枚肉に紹興酒や砂糖などを加え土鍋で煮込んだもので、北宋時代の詩人蘇東坡に因んで名づけられた杭州名物の1つ。日本人としてはビックリする分厚いゼラチン質の脂身もしっかり食べなきゃ、このお料理の真髄には触れられませんぞ! 甘辛で、添えつけの蒸しパンに包んでも一味違った味わいが楽しめます。
そうこうしているうちに、お店の看板料理の1つでもある 「叫化童鶏」 がガラガラと運ばれてきました。これは鶏肉を丸ごと蓮の葉に包み、その上から粘土で固めて蒸し焼きにしたもの。料理人が目の前で手際よく表面を取り除いていきます。
解体される葉に赤い紐が見え、何やらおめでたい感じがします。しかし、実際に見てもモシャモシャしていて泥なのか葉なのかよく分かりません。
叫化童鶏(こじき鶏)/148元
こうして蓮の葉の中から現れたのが「叫化童鶏」。出来立てのお料理を口元へ運ぶと、蓮の香りがほんの~り。お肉自体は油分が抜け、醤油ベースのスープもしつこくなく非常にあっさりとした味付けになっていました。見た目以上に淡白な仕上がりで、これぞいわゆる杭州料理の特徴なのかな? 1皿2~3人で食べてちょうど良い感じです。
~ 2、3人で注文するなら、こんな感じでいかがでしょう? ~
さて、もし2~3人で来た場合は、どんなお料理の組み合わせが良いかしら?と考えてみました。上記3点は、杭州名物と看板料理、スープはオススメ料理ということで押さえる。そして、ナビだったらこれ次の2点も加えてみたいな、と思いました。
「精品龍井蝦仁(龍井茶葉とエビ炒め)/188元」 …さっぱりプリプリで美味しそう!
「什錦炒飯(五目チャーハン)/20元」 …やっぱりご飯モノが欲しい
2人なら1人200元超(割と贅沢)、量的に少し多いかも。3人なら1人150元くらいで量も程ほどでしょうか? 4人ならあと一皿追加してもいいかもしれません。なにせ、「こじき鶏」と「エビ炒め」だけで336元だから、金額を抑えるならこのあたりをチェンジですね。
他にもチャーハンや麺類 (エビと田ウナギのラーメンが人気だそう) は20~30元、野菜などサイドメニューもそれ程高くないので、これらと上手に組み合わせると見た目も食材もお値段もバランスよくまとまりそうですよ。
写真の「芥蘭/23元」(ゆでたカラシ菜にオイスターソースをかけたもの)は歯ごたえシャッキシャキでおすすめできます。
~ 満腹後のおまけ話 ~
余談ですが、今回ナビが個人的に 「失敗した」 と思ったお料理がこちらです。カボチャに咸鴨蛋の黄身がまぶされた 「金沙南瓜/20元」 ですが、以前別の地域で似たお料理を食べて美味しかったのを思い出しオーダー。しかし、ここのものは塩味がきつく、カボチャもやや固めで、ウ~ン…。ナビの好みではありませんでした。
ちなみに本日は 「西湖龍井茶/5元」 もいただきました。ここのお茶は、「コップにそのまま茶葉&お湯」 でサーブされます。そっけなく感じるかもしれませんが、実は龍井茶は、この飲み方が一番おいしくいただけるんですよ。観光の疲れを和らげてくれる爽やかな緑茶です。
12時を過ぎる頃には客席がいっぱいに、個室もビジネス客らしきお客さんたちの姿で店内がずいぶん活気づいていました。お店を後にする頃には入り口に席を待つお客さんの列が…一足早く入っておいて良かったです。
この 「孤山」 には「中山公園」、「西泠印社」、「浙江省博物館」 などの見所もあるので、その合間にここで杭州自慢のお料理を味わうと充実の観光になるかもしれませんね。
では、ナビも引き続き観光を楽しんできまーす!